概要
妹は未来を知っている。私が王妃になる未来を――――だから、ならない
「お姉様。私、一度死んで戻ってきたの。前の人生ではお姉様が王妃になって、私は何もかも取られた。今世では私が王妃よ」
春の茶会で、妹のロゼリーヌが立ち上がって言った。
姉のヴィヴィアンヌは紅茶を置いて、隣に座る婚約者――王太子殿下に向き直った。
「殿下。妹をもらってやってください」
王太子は茶を噴き、妹は口を開けたまま固まった。
妹の知る未来では、姉は泣いて縋り、殿下は姉を選び、そこから十年の戦いが始まるはずだったのだ。
姉は泣かない。縋らない。翌日には婚約解消の願いを自分で書き、乳母に持たせて王宮へ出した。
「来月、殿下はお姉様に薔薇を贈るはずなのに」
「贈られる相手が居なければ、贈れませんわね」
妹の予言は一つずつ外れていく。殿下の心も、王妃の思惑も、前の人生とは違う方へ転がる。
そして姉
春の茶会で、妹のロゼリーヌが立ち上がって言った。
姉のヴィヴィアンヌは紅茶を置いて、隣に座る婚約者――王太子殿下に向き直った。
「殿下。妹をもらってやってください」
王太子は茶を噴き、妹は口を開けたまま固まった。
妹の知る未来では、姉は泣いて縋り、殿下は姉を選び、そこから十年の戦いが始まるはずだったのだ。
姉は泣かない。縋らない。翌日には婚約解消の願いを自分で書き、乳母に持たせて王宮へ出した。
「来月、殿下はお姉様に薔薇を贈るはずなのに」
「贈られる相手が居なければ、贈れませんわね」
妹の予言は一つずつ外れていく。殿下の心も、王妃の思惑も、前の人生とは違う方へ転がる。
そして姉
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