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概要
ええ、ずるいですわね。では明日の朝、お渡しします
「お姉さまばかりずるい!」
義妹のその一言で、この八年、わたしの手からは何でも消えていった。ドレスも、馬車も、婚約者も。父は病で口がきけず、家を回してきたのはわたしだ。
だから今朝、こう答えた。
「ええ、ずるいですわね。では明日の朝、お渡しします」
譲り状というものがある。書いたものは義務ごと渡る。ドレスには夜会に四時間立ち続ける務めが、馬車には御者の給金が、領地には凶作の始末が、爵位には税が、そして元婚約者には侯爵家の借金八千枚が付いてくる。
一日にひとつ。婚礼まで三十七日。
「ずるい……でも、これは要らない」
「お返しはできません。譲り状ですから」
「お姉さま、これ、どうやるの」
「お教えします。明日の朝までに」
三十七日目、義妹は泣きながら坑夫の家族の前に立っていた
義妹のその一言で、この八年、わたしの手からは何でも消えていった。ドレスも、馬車も、婚約者も。父は病で口がきけず、家を回してきたのはわたしだ。
だから今朝、こう答えた。
「ええ、ずるいですわね。では明日の朝、お渡しします」
譲り状というものがある。書いたものは義務ごと渡る。ドレスには夜会に四時間立ち続ける務めが、馬車には御者の給金が、領地には凶作の始末が、爵位には税が、そして元婚約者には侯爵家の借金八千枚が付いてくる。
一日にひとつ。婚礼まで三十七日。
「ずるい……でも、これは要らない」
「お返しはできません。譲り状ですから」
「お姉さま、これ、どうやるの」
「お教えします。明日の朝までに」
三十七日目、義妹は泣きながら坑夫の家族の前に立っていた
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