概要
大正から昭和。激動の時を経て、男は凍土の彼方から帝都に還る。
大正七年。シベリア出兵の最前線で、一人の日本人青年将校が消えた。会津藩士の末裔・剣城志郎は、陸軍士官学校を卒業した騎兵少尉。伯爵令嬢・和泉紫織との婚約も整い、将来を嘱望される青年であった。その部下には、朝鮮人ムン・サンウの名を持つ帝国陸軍軍曹・向井三郎がいる。
志郎の転落は、親友・黒永龍一の裏切りに始まる。軍需物資横領と戦犯隠匿に絡む巨大な利権構造の一端を目撃してしまった志郎は、権力者たちの罠に嵌められ、「軍資金強奪と反逆」の汚名を着せられたまま、極寒のシベリアンスキ強制収容所へと送られる。婚約は破棄され、名誉も未来も、すべてが奪われた。
十年の歳月が流れる。謎の老人・ポクロフスキ老師の助けを得て脱獄に成功した志郎は、記憶を失い軍閥の手先に成り果てていた向井三郎——ムン・サンウと、黒永の
志郎の転落は、親友・黒永龍一の裏切りに始まる。軍需物資横領と戦犯隠匿に絡む巨大な利権構造の一端を目撃してしまった志郎は、権力者たちの罠に嵌められ、「軍資金強奪と反逆」の汚名を着せられたまま、極寒のシベリアンスキ強制収容所へと送られる。婚約は破棄され、名誉も未来も、すべてが奪われた。
十年の歳月が流れる。謎の老人・ポクロフスキ老師の助けを得て脱獄に成功した志郎は、記憶を失い軍閥の手先に成り果てていた向井三郎——ムン・サンウと、黒永の
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