第4話 次の目的地は依頼次第?

ここはリゼンド王国。


俺たちは次の日、ミリアとこれからの旅について予定を立てていた。


「私はどんな回り方でも気にしないよ!」


「いや、そんなこと言われても……」


そう言われても、どう回ろうか。


世界には数え切れないほどの国や街がある。


せっかく二人で旅をするのだから、できるだけたくさんの場所を巡ってみたい。


けれど、行き先を決めずに歩き続けるわけにもいかない。


「うーん……」


俺が頭を悩ませていると、その時、ふと閃いた!


「それなら、依頼で決めればいいんじゃないか!」


「依頼で?」


「ああ! 冒険者ギルドで依頼を受けて、その依頼の目的地を次の行き先にするんだ。そうすれば、行き先にも困らないし、旅の資金だって稼げる!」


「なるほど! それ、いいね!」


ミリアは納得したように、ぱっと顔を明るくした。


「じゃあ、さっそく冒険者ギルドに行こうよ!」


「そうだな。善は急げって言うしな!」


俺たちは旅の荷物を確認すると、宿を出て冒険者ギルドへと向かった。


――さて、次はどんな場所へ行くことになるのだろうか。


* * *


「この依頼は……」


俺たち二人は依頼書を見ながら、ああだこうだと言い合い、次の行き先を決めていた。


そして、しばらくたった頃。


「あら、勇者パーティーだったお二人さん!」


声のした方を振り向くと、そこにはあの時の受付嬢のお姉さんが立っていた。


「何かお探しですか?」


受付嬢のお姉さんが尋ねてくる。


「実は、この街を離れて旅をしようと思っているんです。そのために、次の行き先を依頼で決めようと思っていて……」


「なるほど、旅ですか……」


受付嬢のお姉さんは少し考え込んだ。


そして、何かを思い出したように「あっ!」と声を上げると、カウンターの方へ走っていった。


「お待たせしました! こちらなんですけど……」


そう言って差し出されたのは、一枚の依頼書だった。


そこに書かれていたのは――。


「霧の森……?」


「はい。実は最近、霧の森にある大樹の元気がなくなっているそうなんです」


霧の森。


その名の通り、濃い霧に包まれた森で、危険な魔物も多く生息している。


そのため、冒険者の間でも難易度の高い場所として知られていた。


「要するに、俺たちにその危険な霧の森へ入って、調査をしてきてほしいということですか?」


「はい。大樹の様子がおかしくなった原因も分かっていません。何か異変が起きている可能性もありますので……」


なるほど。


確かに、ただ森の中を調べるだけでも簡単な依頼ではなさそうだ。


「それと、調査結果の報告は、他の国の冒険者ギルドでもできますので!」


「えっ、他の国でも?」


「はい! 今回のお二人のように、旅をしながら依頼を受ける冒険者もいますからね。ギルド同士で連携しているんです」


それなら、わざわざこの街に戻ってくる必要もない。


世界を巡りながら依頼をこなすという、俺たちの旅の方針にもぴったりだった。


俺は隣にいるミリアに目を向けた。


「どうする、ミリア?」


すると、ミリアは依頼書をじっと見つめていた。


「……うん。私はいいと思う!」


「よし、決まりだな!」


こうして俺たちの世界一周の旅、その最初の目的地は――霧の森に決まったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る