概要
次は、必ず。
慶長二十年五月七日、大坂夏の陣。
真田信繁は徳川家康の本陣へ斬り込み、ついにその首を討ち取った。
だが、それは影武者だった。
本物の家康まで、あと十間。
無数の槍に貫かれ、信繁は「無念」の一言を残して果てる。
だが――目覚めると、そこは十五年前。
父・昌幸と兄・信幸が、家の行く末を決めようとしていた犬伏の陣だった。
関ヶ原の結末も、九度山での十四年も、大坂城の落日も、すべて覚えている。
そして、父が九度山で寂しく世を去ることも。
信繁は父にだけ、そのすべてを打ち明けた。
表裏比興の者と恐れられた昌幸は、息子の話を鵜呑みにはしない。
「ならば、確かめてみようではないか」
予言が一つ、また一つと的中したとき、老将の目に再び火が灯る。
「九度山で朽ちる気はない。家康の首を見るま
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