第一話を読みました。面白かったのでレビューを書かせてもらいます。
冒頭から、主人公ルーファスが置かれている理不尽な立場に引き込まれました。せっかく天賦スキルを授かったのに、思うように力を発揮できず、無給の荷物持ち兼デコイ役として扱われている。しかも、Aランクパーティのリーダーであるオーギュストは、仲間を率いる立場でありながら、ルーファスやヒルダを使い捨ての道具のように扱います。その横暴さがはっきり描かれているからこそ、二人が置かれた境遇に悔しさを覚えました。
特に印象的なのは、もう一人の不遇な存在である盾役のヒルダです。攻撃技がないという理由で危険な前衛を押しつけられ、傷だらけの鎧と亀裂の入った盾を抱えながら、それでも自分の仕事を果たそうとしています。「敵を前に一歩も引かない」という言葉には、彼女なりの誇りと意地が感じられました。能力の一部だけで価値を決められてしまう二人が、互いの危うさに気づいて声をかけ合う場面もよかったです。
そして、ルーファスのスキルが本当に鉄屑しか生み出せないものなのか、という点も気になります。前世の機械工学の知識を持ちながら、今は使い道のない金属片を指先で弄っている彼。その描写が、最後の「誰かの使い捨てで終わってたまるか」という決意につながり、今後の逆転劇を期待させます。
危険な未踏エリアへ向かう二人を待っているのは、魔獣との戦いだけではないはずです。見下されてきたスキルと、使い古された大盾。それぞれの価値が明らかになったとき、傲慢なリーダーたちがどんな反応を見せるのか。ルーファスとヒルダが自分たちの力で道を切り開いていく展開が楽しみになる第一話でした。