第一話を読みました。面白かったのでレビューを書かせてもらいます。
冒頭から図書館が海水に満たされ、ナタが水圧と酸素不足に苦しんでいるという、かなりインパクトのある始まりでした。普通なら恐怖一色になりそうな状況なのに、水中を泳ぐ魚や怪獣の姿を「綺麗だ」と感じてしまうナタの感性が印象的です。危機的な状況の中にも、この作品独特の幻想的な雰囲気がありました。
ナタ自身も、魔法の才がなく、使える固有魔法が「共感覚」だけというところが面白いです。一見すると戦闘向きではない能力ですが、相手の強い記憶を体感できるという性質が、今回の事件では大きな意味を持ちそうです。万能ではないからこそ、どうやって事件を解決するのかが気になります。
また、鈴とレザのコンビも魅力的でした。鈴は明るく親しみやすい一方で、思いついた作戦を勢いで実行してしまうところがあり、レザはそんな鈴の指示を淡々と遂行する。特にナタの意見を聞く前に水中へ突っ込ませる場面は、危険な状況なのに思わず笑ってしまいました。
そして今回の事件が、単なる水害ではなく「メランコリー」によって起きているという設定も興味深いです。図書委員の少女を中心に魚たちが集まり、その少女に触れたナタが最後に「これは少女のトラウマの記憶だ」と気づくことで、一気に物語の核心へ入っていく構成になっています。
海に沈んだ図書館という幻想的な舞台と、そこに隠された少女の心の傷。ナタの共感覚が、その記憶に触れることで何を知るのか。そして彼女がどうやってメランコリーを解決するのか。第一話の最後で大きな謎を残しているので、ここから先の展開がかなり気になる作品でした。