第一話を読みました。面白かったのでレビューを書かせてもらいます。
冒頭の雨の中、村を襲った略奪によってすべてを失った少年の姿が強く印象に残りました。自分だけが偶然生き残ってしまったことで、「なぜ自分だけが」という思いを抱え続けるオスニエル。その十年後、彼が死を求めるように戦い続けているという現在とのつながりが、とても重く描かれています。
特にオスニエルの戦い方が、この人物の心そのものを表しているように感じました。敵の攻撃を避けず、自分の身体で受け止めながら斧を振るう。強いというより、自分の命を大切にしていないからこそ成立する戦い方であり、彼が抱えている苦しさが戦闘描写からも伝わってきます。戦いが終わってから聞こえてくる幻聴も、彼が十年前の出来事から抜け出せていないことを感じさせました。
そんなオスニエルの前に現れたカーラが、とても良いキャラクターだと思いました。彼の命を救う理由が「死ぬな」ではなく、「下水道で死なれると疫病の元になるから」という現実的なものなのが面白いです。さらに治療費を請求し、勝手にパーティ扱いして荷物持ちまで任せようとする強引さも、重い物語の中で良いアクセントになっています。
ネズミとの戦闘では、オスニエルが自分を犠牲にする一方、カーラが背後から正確に援護することで、二人の役割が自然に見えてきました。「俺は一人だ」に対して「今は二人でしょ」と返す場面も印象的です。
死者の視線しか感じられなかったオスニエルの背中に、騒がしくて金にうるさい、生きた仲間の気配が加わった。彼自身はまだ認めていませんが、ここから少しずつ人生が変わっていく予感がする第一話でした。