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概要
歪む肉体、消える認識。恩師の足跡を追う青年を呑む、不条理な怪異の連鎖。
恩師である民俗学者・佐藤教授の不可解な失踪。彼の遺した『黄皮手記』を手がかりに、大学院生の神隠忍は日本各地の禁忌の地へと踏み込む。甲州の左右反転する『カエシ様』、東北の逆足で歩む『笑う葬列』、出雲の鏡を拒む『カガミナシの家』、北海道の獣皮を纏う『もう一つの熊嵐』…。現地を巡り調査を深めるごとに、忍の肉体と精神は不可逆の変容を遂げていく。指の配置が反転し、歩行が前後逆さまになり、顔面の目鼻が交差して、ついには人間としての実体すら失っていく。異界の理に侵食された忍は、遠野の『双頭のおしら様』や安達ヶ原の『地底子宮』を経て全怪異を己の身に統合。やがて人々の記憶や認識からもその存在を抹消されていくのだった。理由も救いもない絶対的な不条理の底で、青年が辿り着く凄惨な結末とは。民俗学的考証と狂気が交錯する不条理怪奇伝承長編小説。
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