概要
振られた相手を、雇うことになった。
駅前商店街の小さな喫茶店「ランプ」。父から店を継いで三年、二十四歳の店長・佐伯湊の朝は、アルバイト募集の貼り紙を見て入ってきた一人の女性で止まった。白瀬千歳、二十五歳。高校時代、全校の憧れだった一つ上の先輩で、卒業式の裏門で湊の告白に「今は、だめ」と答えた人。履歴書の志望動機欄は空白で、一言だけ「店長に、直接」。大手企業を辞めてこの町に越してきたという彼女は、エプロンを着け、お冷やをこぼし、常連のおばあちゃんに「新しいお嫁さん?」と聞かれても否定しない。店長として敬語で「白瀬さん」と呼ぶ湊と、「店長」と呼び返す千歳。五年前の返事は、まだ言い直されていない。「私が五年かけて探した店だから」——高嶺の花だった先輩が新人として俺の店に立つ、遅れてきた恋の続き。
いつも応援ありがとうございます!
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?