要約
志水市にある「地脈迷宮(脈)」で、迷宮の帰路を確認する仕事をしている主人公・佐伯亘は、天井の亀裂が崩れ始めていることに気づく。
その直後、崩落現場から若い女性の声を聞く。瓦礫の奥にいたのは、採取依頼中に仲間とはぐれ、足を負傷した探索者・小森詩織だった。
亘は彼女を助けようとするが、崩落に加えて魔物まで接近しており、二人とも安全に脱出できる保証はない。
そこで亘は、自身の特殊な能力「置き道」を使うことを決める。これは、自分が実際に一往復した道を「一度だけ他人に貸す」ことで、相手を出発地点まで一気に戻せる能力。
しかし、その道は一度使えば消えてしまう。つまり、詩織を脱出させれば、亘自身が帰るための安全な道を失う。
詩織もそのことに気づき、「あんたはどうやって戻るんですか」と問いかける。それでも亘は彼女を優先し、能力を使って詩織を地上へ送り出す。
そして能力を使い終えた直後、亘の帰路を塞ぐように新たな崩落が起こる。
一言でいうと:
「他人に帰り道を譲れる特殊能力を持つ迷宮探索者が、自分の帰路を犠牲にして遭難した少女を救う物語。」