概要
側妃で十分? では皇妃の席で、お待ちしております
「お前は側妃で十分だ。正妃はジゼラにする」
――王太子の言葉に、侯爵令嬢エレオノーレは十年分の教本を胸に抱いたまま、一度だけ瞬きをした。泣かなかった。
その翌日、国王に呼ばれる。
「帝国が皇妃選びを開く。わが国から候補を一人出さねばならぬ。……行ってくれるか」
百人が挑み、百人が一次で落ちたという、冷血皇帝の皇妃選び。国の随行役として同じ馬車に乗り込んできたのは、よりによって元婚約者だった。
「どうせ一次で落ちる。その時は側妃の話、考え直してやる」
帝都の試験場。礼法、帝国語、晩餐、乗馬、帳簿――一つ課題を越えるたびに、元婚約者の顔色が変わっていく。
そして試験場の隅には、いつも同じ無愛想な書記官がいて、彼女の答案にだけ、ほんの少し長く目を落とすのだった。
――王太子の言葉に、侯爵令嬢エレオノーレは十年分の教本を胸に抱いたまま、一度だけ瞬きをした。泣かなかった。
その翌日、国王に呼ばれる。
「帝国が皇妃選びを開く。わが国から候補を一人出さねばならぬ。……行ってくれるか」
百人が挑み、百人が一次で落ちたという、冷血皇帝の皇妃選び。国の随行役として同じ馬車に乗り込んできたのは、よりによって元婚約者だった。
「どうせ一次で落ちる。その時は側妃の話、考え直してやる」
帝都の試験場。礼法、帝国語、晩餐、乗馬、帳簿――一つ課題を越えるたびに、元婚約者の顔色が変わっていく。
そして試験場の隅には、いつも同じ無愛想な書記官がいて、彼女の答案にだけ、ほんの少し長く目を落とすのだった。
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