概要
家が歩く。町を乗せて、世界の果てまで。
砂丘の向こうから、家を載せた船が歩いてきた。
仕事はほどほど、夜はオンラインゲーム。
そんな毎日を送っていた二十五歳の加瀬海は、交通事故で命を落とした――はずだった。
目を覚ましたのは、流れる砂に囲まれた岩の上。
助けを求める彼に梯子を下ろしたのは、陸上船コハク号の操船士、リゼだった。
六本の脚で砂漠を渡る船の上には、小さな家が並び、洗濯物がはためいている。
ここでは、人が家ごと旅をしているらしい。
操縦桿を握るリゼは頼もしい。
けれど初めての寄港地を前にすると、彼女もカイと同じように、窓から身を乗り出す。
最初の行き先は、砂の下から一夜だけ現れる港。
何十隻もの船が集まり、朝には消える町ができるという。
知り合いも、使えるお金もない。
まずは人に頼り、自分にもできる仕事を見つけ
仕事はほどほど、夜はオンラインゲーム。
そんな毎日を送っていた二十五歳の加瀬海は、交通事故で命を落とした――はずだった。
目を覚ましたのは、流れる砂に囲まれた岩の上。
助けを求める彼に梯子を下ろしたのは、陸上船コハク号の操船士、リゼだった。
六本の脚で砂漠を渡る船の上には、小さな家が並び、洗濯物がはためいている。
ここでは、人が家ごと旅をしているらしい。
操縦桿を握るリゼは頼もしい。
けれど初めての寄港地を前にすると、彼女もカイと同じように、窓から身を乗り出す。
最初の行き先は、砂の下から一夜だけ現れる港。
何十隻もの船が集まり、朝には消える町ができるという。
知り合いも、使えるお金もない。
まずは人に頼り、自分にもできる仕事を見つけ
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