「こいつはいったい何者なんだ?」
読んでいる側にも、作中の目撃者たちと同じ疑問が浮かんでくる。
宗教戦争によって荒廃した戦場。
そこへ現れたのは、己の身長を超えるほどのクソデカ剣を引きずり、正規軍を一合で壊滅させる謎の『異物』。
しかし、物語のキーパーソンである異物自身の視点は、この物語には存在しない。
目撃者たちが恐怖し、逃げ惑い、噂を語る。
そのたびに「いったい何なんだ、こいつは」と、読者の期待まで膨らんでいく。
描写される異物が纏うのは……
筋肉のフルプレートアーマー。
クソデカ剣だけでも十分なのに、筋肉まで武装扱いされている。
そして放たれる一言、
「筋肉が足らん。」
どれもお約束の強者描写なのに、堂々と描かれるから納得してしまう。
重苦しい戦場を舞台にしながら、圧倒的な物理で全てを粉砕していく爽快感。
目撃者たちの恐怖を通して、正体すら分からない『死神』の情報が積み上がっていく。
今後、この『異物』が現れる舞台は?
目撃者たちに、どんな恐怖を残すのか?
物語を勢いよく動かしていくのが得意なアムトラ氏が贈る、挑戦作品。