第9話 今日の日記
あれから7日、俺は次戦に向けて班員たちと共に訓練に励んでいた
本来であれば、戦闘後しばらくは休暇をもらえる
だが、第3騎士団レイナ分隊は違う
最前線へ向かう部隊に殉職と重病、重傷以外で7日以上休暇をもらえない
そのことについて俺が愚痴をこぼすと
『前はもう少しホワイトだったわよ。あんたが来てからよ!』
『まぁまぁ‥‥ハザマノさんが来てから2週間くらいしか経ってないでしょ? ハザマノさんの所為じゃないよ。』
テトラとノレイルさんが教えてくれた
ノレイルさんは俺を擁護してくれているが俺は自分のせいだと思わざるを得なかった
唯一不死の力を明かしたジャックとは良好な関係を気づけている
というか、秘密を打ち明けたことで、さらに仲良くなった
一昨日は娼館に案内され、ジャックと共にわくわくしていたが、
『アリス! せっかくここまで来たのに! 痛い、離して! 一回だけ、一回くらいいだろぉ! 俺と同い年の奴、半分以上卒業してるんだからさぁ!』
『駄目です。クライヴの大事なとこ、引きちぎりますよ?』
『それは嫌です‥‥誰ならいいんだよ‥‥』
『‥‥それは///』
『痛っ!?‥‥って、待って、俺はまだぁ!』
という感じでクライヴ団長がアリスさんに首をつかまれて引きずられていく姿を目撃し、俺とジャックは
「今日はやめとくか‥‥」
となった
アリスさんが怖かったのだ
あの鬼のような形相を見た後に楽しむなんてできない
というわけで俺はそこそこ楽しく暮らしている
◇
レイナ隊長が言っていた任務まで残り2日を切った日、俺は初級炎魔術の『ファイアボール』と初級水魔術の『ミスト』、初級雷魔術の『スタティック』を習得した
これで、一応すべての属性の魔法が使える
剣術の方は‥‥テトラに毎日負けている
惨敗だ
だが、テトラは俺がどんなにみじめに負けても馬鹿にしない
怒りながらも丁寧に教えてくれる
テトラはもう少し、馬鹿にしてくる奴だと思っていたがそうでもないようだ
少し見直した‥‥これ知られたらテトラに殴られるな
明日も頑張らなくては
◇
明日が次の任務の日だ
怖い
300人規模での任務らしい
大勢死者が出るだろう
今になって怖くなるなんてどうしたんだ?
死なないのに
いや、死なないからこそ怖いのだ
俺がみんなを守らなきゃって、俺が苦しい目に合うまでに誰か死ぬのが嫌なのだ
俺が一番命を張らなければならないのに
痛いのが怖いという気持ちもある
死ななくても死にたくなるほどの痛みは感じる
‥‥本当はこれが一番の理由かもしれない
それでも、俺は戦わなければいけないのだ
恐れるな、準備はしてきた
前よりは少し、強くなったはずだ
頑張れ、俺
__そこまで書くと、硲野は日記を閉じた
そして、任務当日の朝を迎えた
_
ここまで読んでいただきありがとうございます!
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