とても興味深く読ませていただきました📖✨
本作の魅力は、歴史の中で誤解され続けた一人の女性へ光を当てている点にあります💎
私はこれまでマリオン・デイヴィスという人物について詳しく知りませんでした🎬
名前を聞けば『市民ケーン』を連想する程度でした📽️
しかし本作を読むと、その印象が大きく変わります✨
確かに彼女は新聞王ハーストの愛人でした📰
そして彼の莫大な権力に支えられて映画界で活躍しました🎬
ですが本作が描くマリオンは、決して守られるだけの存在ではありません🌹
むしろ自らの才能で成功し、自らの意志で生きた女性として描かれています💎
特に印象的だったのは「ゴリ押し女優」の章です🎭
ハーストは彼女を悲劇の大女優にしたかった📜
しかし彼女の本当の才能は喜劇にあった😂
このすれ違いが、どこか人間らしくて面白いです✨
巨大な権力者でさえ、愛する相手の本質を完全には理解できないのだと感じました🌿
また、ハースト・キャッスルの描写も魅力的でした🏰
世界中の著名人が集う華やかな空間でありながら、その中心にいたのはマリオンだったという事実に驚かされます✨
単なる愛人ではなく、優れたホステスとして人々を魅了した存在だったことが伝わってきました🌹
さらに終盤はとても胸を打たれました💎
若い頃はハーストが彼女を支え📰
晩年は彼女がハーストを支える🤝
この関係性の変化が本当に美しいです✨
特に100万ドルを差し出したエピソードや、権力争いを避けて身を引く場面には、彼女の器の大きさを感じました🌹
本作はハーストの伝記でもあります📚
しかしそれ以上に、マリオン・デイヴィス再評価の物語だと思います💎
華やかなハリウッドの歴史の中で🎬
誤解され続けた女性の人生を丁寧に掘り起こし✨
最後には深い敬意を抱かせてくれる作品でした🌹
今も昔も、マスコミを操れる者が強いのは変わらない。1863年サンフランシスコ生まれの新聞王ウィリアム・ハーストはその元祖である。
新聞と冠がついているが、中身は今でいうところの炎上を煽る三流週刊誌。
これがゴシップ好きの大衆に、ウケにウケた。
そんなハーストおじさんが恋をする。
おじさんが若い娘に夢中になるのは珍しくないことではあるが、そのおじさんが巨億の富を持つ情報王だったら、どうなってしまうのか。
52歳の彼の前に現われたのは、映画女優を夢見るマリオン、19歳。
娘を育てるようにして、ハーストおじさんはこのマリオンを世界的大女優にするべく、愛と権力と金を注ぎ込み始める(実話)
ここで我々は、どうせ「パパ」に甘える若さだけが売りのチワワでしょう……? と想像するのだが、ハーストのゴリ押しも虚しく映画女優としては大成しなかったものの、マリオンは人の気持ちをぱっと明るくさせるような、天性の機知と人間味に満ちた温かな女性で、そばにいて不快になる者はいなかった。イメージ的にはどんな気難しい客であってもうまく転がしてその場を和やかに取り持つことが出来る高級ホステスといったところか。敏腕マネージャーや女実業家になっても大成する人材である。
ハーストが破産の危機に瀕しても、老いさらばえていっても、若いマリオンはハーストの側にいた。
名を出すのは控えるが、バブル崩壊によって大富豪から無一文に転落した、とある日本人紳士。
妻子に縁切りされた後は、晩年、特徴のない普通の女性と一緒に狭い下町のアパートで暮らし、盛り返すこともなく、そのまま死んだ。
「ふーん」
とくに何を思うでもなくその番組を見ていたわたしは、一緒に暮らしていた女性、もうかなりのご高齢のその平々凡々なおばあちゃんが、彼について、
「好きでしたねえ……一文無しになっても、まったくそんなことを感じさせなくて。ふふっ」と故人のことを明るく語るのをきいた。
世の中には、波乱万丈な男の側にいるだけでも、面白く過ごせるタイプの女性がいる。世間から「どうせ遺産目当て」と云われようが、マリオンは、大きな少年を見ているような気分で、ハーストの後半生に寄り添ったのだろう。
全てを手にした男が、最後に手に入れたのは、スターに憧れた少年の頃の夢。
「あなたは比類なき大女優なのだから。映画の中の気高い女王なのだからね」
「はいはい(苦笑)」
そんな会話をハーストとマリオンが交わしていたと想像すると、楽しく、哀しい。
※こちらは、ご自作「サンフランシスコの流れ星。アンビシャスな人々の波乱万丈ストーリー」の番外編です。
https://kakuyomu.jp/works/16817330667414375085
とても上質なノンフィクションです。五千字強の短編に一人の女性の人生の核心を的確に描き出しています。「市民ケーン」のモデルとなった20世紀初頭の新聞王ハーストとその愛人マリオン。本作は主にマリオンに焦点を当てます。彼女がモデルとなった映画のキャストと、実際の彼女とはかなりギャップがあり、実像のほうが遥かに魅力的だったようです。ハーストとの関係も互いに自立した関係で依存的ではなく、独立心と高潔さを持った女性でした。本作では逸話とともにその実像が描き出されます。特にハースト没後の出処進退が実に潔く鮮やか。ぜひご一読いただきたいです。
さて、本作は「『一万字以内で魅せる』新作限定『番外編/外伝』」という自主企画のための書き下ろし番外編で、本編は「サンフランシスコの流れ星」という列伝のようです。本作で興味を持った方はこちらも拝読してはいかがでしょうか。わたしも拝読しようと思います。