「愛しいと思った気持ちを、伝える魔法」——これほど不便で、これほど尊い魔法があるでしょうか。実用性ばかりが評価される世界で、誰にも顧みられなくなった魔法を、まっすぐな少女が選び取るところから物語が始まります。
出会う人それぞれに気持ちを届けるたび、思いがけない反応が返ってくる展開に、切なさとおかしみが同居していて目が離せません。飾らない文章表現がかえって心にじんわり染みて、読んだ後、誰かに「素敵だな」と伝えたくなる一編です。
こんな人におすすめ
静かであたたかいファンタジーが好きな方、不器用でまっすぐな主人公の物語に惹かれる方、少し切なく心に残る短編を探している方。