統合歴九六四年、魔法の杖が銃に変わった時代を描くミリタリーファンタジー。戦後処理の膿として独立した東部人民連邦と合衆国の代理戦争という骨太な国際情勢を、たった一話で説得力ある密度で提示しているのが見事です。魔女機関のトップ、バーバラの飄々とした会話劇が秀逸で、タバコと灰皿の仕草だけで海千山千の交渉巧者ぶりが伝わってきます。「戦車には戦車を、魔法には魔法を」という一言に集約される皮肉と諦観の入り混じった空気感が、単なる異世界バトルものとは一線を画す渋さを感じさせます。銃と魔法を組み合わせたガジェット感と、東西戦線という重い歴史的背景の両立に今後も期待したいです