概要
事故は終わった。――ただし、俺が「終わり」を見つけるまでは。
事故は、終われば消える。
現場は片づけられ、道路は開き、ニュースも次の話題へ移っていく。
――普通なら。
久世冬真、二十四歳。特異災害を扱う民間会社の契約調査員。給料は安いし、夜間の呼び出しも多い。
そんな彼にだけ、終わった事故に残された「まだ終わっていないもの」が見える。
火災現場で、三つの時計が同じ2時17分を指して止まる。
誰もいない地下鉄の改札で、存在しない乗客の記録が増えていく。
事故の原因と結果が正しくつながっていないとき、冬真の視界には黒い筋――「残因」が浮かぶ。
その先にある終了点を見切れれば、彼は因果を断ち切り、事故を終わらせられる。
だが、見誤れば被害は別の場所へ続いていく。
しかも「復旧完了」と記された事故の中には、誰も責任を引き受けず、終わらせたことにされ
現場は片づけられ、道路は開き、ニュースも次の話題へ移っていく。
――普通なら。
久世冬真、二十四歳。特異災害を扱う民間会社の契約調査員。給料は安いし、夜間の呼び出しも多い。
そんな彼にだけ、終わった事故に残された「まだ終わっていないもの」が見える。
火災現場で、三つの時計が同じ2時17分を指して止まる。
誰もいない地下鉄の改札で、存在しない乗客の記録が増えていく。
事故の原因と結果が正しくつながっていないとき、冬真の視界には黒い筋――「残因」が浮かぶ。
その先にある終了点を見切れれば、彼は因果を断ち切り、事故を終わらせられる。
だが、見誤れば被害は別の場所へ続いていく。
しかも「復旧完了」と記された事故の中には、誰も責任を引き受けず、終わらせたことにされ
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