「海神別奏」最新話を更新しました!
https://kakuyomu.jp/works/16818622177569165036 47話「滅多メタにしちゃおう」
54話「時は戻って」
で登場したラスボス軍のひとり、キラー・ホエール。
ダミアンと同じネイティブアメリカンですが、部族は違って「ラコタ族」の末裔です。
今回はキラー・ホエールくんの名前をこぼれ話としてお届けします。
※注意:めっちゃ長いです
■前提
★本編より★★★
ネイティブアメリカンには誕生名ではなく、出来事や功績によって付けられる流動的な名前を名乗る文化がある。
つまりこいつの一人称は「キラー・ホエール」で、「ブロードウェイの帝王」は俺のマフィアの功績を示すあだ名で、「レッド・ボーン」は俺に勝手につけられた”功績による名”なんだろう……わかりづらい。
★★★★★★★★★
本編でもややこしかった大量の名前や肩書。
ネイティブアメリカンの文化には個人で様々な名前を持つことがありました。
・英語名
アメリカ社会で生きるために必要な名前。
寄宿学校入学時に与えられることが多いようです。
・神聖な名前(生まれた時の名前)
家族以外には教えないような特別な名前。精神的な意味合いが強い。
・性格や功績などによって変わっていく名前
有名な人物だとアパッチ族ジェロニモが部族ではゴヤスレイ(あくびをする人)と呼ばれていたような感じです。
※彼も神聖な名前を持っていたと考えられますが、部族外に伝えられない名のため残されてません
・ビジョンクエスト(成年の儀式)によって名乗る名前
数日にわたり断食を行い、夢から啓示を受ける儀式・ビジョンクエストを通じて、得た啓示から名前を付けます。
■キラー・ホエールの英語名
キラー・ホエールにもありましたが、本人は受け入れていないので覚えてもないです。
➡答え:なし(本人が覚えてない)
■キラー・ホエールの「神聖な名前」
➡答え:Zintkála(ジントカーラ)
生まれた瞬間に付けられる名前で、親族の祈りが込められています。
ジントカーラ(Zintkála)=鳥
という意味です。
■キラー・ホエールの「性格や功績などによって変わっていく名前」
➡答え:Zintkála Waŋží Kté(ジントカーラ・ワンジ・クテー)
成長して性格が見えてくると、その性格や気質・功績に合わせた名前に変わっていきます。
意味:“一羽の鳥を仕留めた子”
ジントカーラ=鳥
ワンジ=一羽
クテー=殺した・倒した
🐣子供なのに獲物を仕留める →「暴れん坊」「早熟」って意味です!
■キラー・ホエールの「ビジョンクエストで得た名前」
➡答え:Olówaŋ Tȟaŋka Mní(オロワーン・タンカ・ムニー)
と
➡答え:キラー・ホエール(シャチ)
キラー・ホエールはビジョンクエストを行っているので、ビジョンクエストで得た啓示をもとに名前を変えています。
大平原で暮らしていたラコタ族は海に馴染みがないため「海」と言う単語がなく、大きな水で海と解釈しています。
意味:“海の歌”
オロワーン=歌
タンカ・ムニー=大きな水(海と解釈できる)
ただ、これはラコタ族の言語のため英語社会ではこの名前を英訳して名乗っていました。
それが「キラー・ホエール(シャチ)」
海の歌≠シャチ じゃねーか!
と思いますが、理由があるので本編をお待ちください…
以上、キラー・ホエール君についてでした!