夕山晴

ルアーナは婚約者であるセストに、幼い頃の初恋話をした。少し嫉妬してくれることを望んでいたが、あろうことかセストはさらりと嘘を吐く。 「あ、それ、俺だわ」 もうすぐ結婚する二人の…

病弱で短命。そんな少年ミーゲルに仕える専属メイドのシトリーは不思議な力を持つ。 引き篭りがちな息子ミーゲルを心配した領主からの依頼で、定期的にミーゲルを街に連れ出していたが、ある…

私の婚約者はとても有名だ。 顔は良く、体格も良く、能力は高い。王太子殿下付きの有能な秘書官であり、護衛のための剣術も騎士団長にスカウトされるほどの実力で……そんな彼には目指すもの…

あの夢を見たのは、これで9回目だった。 理由もわかる。きっと、欲求不満。 ほんわかわいい青春です。

「妖精さん、妖精さん」 同じ幼稚園のアキちゃんが公園の木にそう語りかけていた。アキちゃんには妖精が見えるらしい。

ここは妖精の国。 人間も暮らせるが、妖精に選ばれると加護が得られ、より大事にされた。ただ、他の加護持ちとは違い、私は人から恐怖の目を向けられる。

みんなの憧れる王子殿下の婚約者。 彼女には隠していることがあった。

雛人形を飾るため久しぶりに実家に帰ってきた。 母とも、久しぶりに会う。

オリビアには婚約者がいる。 愛おしいファビアンに愛されたいオリビアは、彼の前で、病弱なそぶりを演じなければならなかった。そうすれば、ファビアンは愛をくれるから。 ※暗め注意

領主である自分の元へ訪れた、薄汚れた少女は「この花束を買ってくれませんか」と言った。

伯爵令嬢シルフィーナには忘れられない人がいた。幼い頃助けてくれた赤い髪の少年だ。 幼馴染の伯爵令息ランベルトから求婚されたが、どうしても赤い髪の少年が気になるシルフィーナは、返事…

公爵令嬢クレアは令嬢の中では背が高く、格好いいと褒められた。その婚約者である王子メルヴィンは中性的な顔立ちでクレアよりも背が低く、可愛らしいと言われている。 見栄えが悪いのでは、…

寒いのが嫌いな女の子と、寒いのが平気な男の子の話。カップルです。

三年前、魔王が復活した。魔物たちが活性化し、人間の生活を脅かしている。 みんなを守るために、魔王を倒すための勇者養成所が設立された。集められた少年少女は、勇者になるため、日夜訓練…

「何よ！　顔だけの男のくせに！」 「なんだと！　そういうお前は家柄だけの女だろうが！」 顔を合わせれば喧嘩腰。公爵令嬢ジュリエッタとその婚約者テオの仲は悪い。 しかし婚約破棄は…

顔だって家柄だって魔法の技術だって、そう差はない。 しかし、ちやほやされるのは、聖女であり幼馴染でもあるフローラばかりだ。 自分には人が寄りつかないというのに、とエイリンはフロー…

フィリベールは大好きな婚約者セリアに毎日プレゼントを贈る。セリアが「目に見える愛が欲しい」と言っていたのを聞いたからだ。 しかしある時、セリアはプレゼントを受け取ってくれず……。…

父が再婚するとアリスの屋敷内での立場はがくんと落ちた。継母と義姉が家の中で力を持つようになったからだ。 窮屈になったアリスは、唯一の楽しみと称して、よく墓地に出かけるようになった…

エメリの住む屋敷によく訪れる好青年ステファン。彼はいつも親友であるエメリの兄ノアに会いにくるのだが、その度にエメリを誉めてくれる。ステファンに恋心を抱くエメリは嬉しいと思いつつも…

「リーゼ嬢、あなたとの婚約は無かったことにしてもらおう！」 パーティー会場の中央で繰り広げられた婚約破棄。真実の愛ではなかったから、と一方的かつ理不尽に別れを告げる王子アレンに、…

結婚間近の婚約者ハーロルトの行方がわからなくなった。 どうやらヒルデの不安を解消するために、魔女に会いに行ったようなのだ。 ヒルデはいなくなったハーロルトを探しに魔女が住むという…

シュリーはずっとこんな日常が続くと思っていた。 アレクと一緒に手を繋いで、庭園を走ったり、花を眺めたり、菓子を食べたり。 しかし、ある日からアレクがシュリーの屋敷へやってくること…

ぬいぐるみのくまはずっとお店のショーウィンドウから外を眺めている。 気に留めてくれる人はいるけれど、誰にも買ってはもらえない。 色褪せたくまが幸せになる話。

クロードとランシェロは二人組の泥棒。 雇い主の王子レクトからの依頼を受け、食堂で情報収集を行っていた。そこへやってきた想定済みの襲来者たち。好きに暴れた結果、被害が大きくなりレク…

農民と、農民に憧れる王子様。 なんやかんやで同居生活が始まった。 ※一話1000文字以内の超短編仕様

街の散策が好きで、お店を見て回るのが趣味の令嬢デイジー。お気に入りを探すことに多くの時間を使っていた。 そんな中、茶会や夜会で「マルクがデイジーを好いている」というウワサを聞く。…

ライラ・エーレルトは子爵家の令嬢として生まれ、前世の記憶を持っていた。 あるとき、一緒に出かけていた幼馴染の少年が自分を庇って大怪我をしてしまう。泣き叫んでいるとなんと知らぬ間に…

サボり癖のあるカーティスだったが、ある日公爵令嬢マリーに一目惚れしてしまい、心機一転。 いい男になるべく単純にも剣も勉強も頑張り始めた。 五年後、学校に入学し、マリーと再会した…

「じゃあ、いつになったら僕と恋人になってくれる？」 「……何回言われても駄目なものは駄目。私は二十一歳で、貴方は九歳……まだ子供なの。恋人にはなれないわ」 治療師のアルバは、診…