「瑠璃草子(がらすぞうし)」「ほおずき」「まほろば」「惜春」――いずれも秀逸な歌詞と、胸に迫る旋律が織りなす世界です。特にその詩の美しさには心を惹かれ、改めて日本語の奥深さに気づかされました。
「瑠璃草子」の歌詞には、万葉集など古典から紡ぎ出された情緒溢れる言葉が多く用いられています。ぬばたまの君が黒髪の褥に貸せるこの腕の躰温も未ださめやらで……
まさに、日本的な感性が生み出した幽玄の美の世界そのものです。高校時代、古典の授業で居眠りしていた自分には、到底思い浮かばないような美しい言葉ばかりです。(;つД`)
たとえば――
ぬばたま:黒くて光沢のある種子。
褥(しとね):寝具のこと。
躰温(ぬくもり):字の如し。
現世(うつせみ):人の世。
水無瀬川(みなせがわ):水のない川。
後朝(きぬぎぬ):通い婚での朝の別離。
足曳き:山の裾を長く引きずること。
玻璃細工(がらすざいく):繊細なガラスの細工。
万葉集が詠まれた時代、男たちはせっせと女性のもとへ通ったものです。現在では「通い婚」や「妻問婚」と呼ばれていますが、実のところ、男性が女性を選ぶのではなく、最終的には女性が男性を選んでいたのだといいます。どなたか、この愛おしい世界を、小説に綴ってくださらないでしょうか。