熱きコンテストの帆を下ろし、そろそろ新たな創作の海へ漕ぎ出さなくてはなりません。去りゆく季節を惜しむような、少し切ない心地でいます。✍🏻🚢🌊
目を閉じれば、そこは暖炉の火がぱちぱちと爆ぜる午前十時。窓の外では雪が音もなく降り積もり、遠くの赤煉瓦の洋館へと続く、コートを纏った誰かの足跡がゆっくりと消えていく。
——あの足跡の主が誰なのか、いまだに猫は教えてくれません。
温かな部屋の片隅で、赤いマフラーを巻いた黒猫が、魔法のような輝きを湛えた宝箱をじっと見つめている。黄金の翼が揺らめき、開かれた長編小説のページが、まだ語られていない続きを待っています。
最近は、物語の行間に「余白」を置き、言葉の隙間に「気配」をそっと息づかせることを考えながら筆を動かす日々。ひとつの場面に、どれだけの温度を、どれだけの記憶を宿すことができるでしょうか。
静寂の中で筆先が動くたび、見えない誰かの呼吸をなぞっているような気がします。
(たまに自分の呼吸と混ざって、どちらが現実か分からなくなるほどに。)
なお、船長は相変わらずの方向音痴ゆえ、次の寄港地は風任せ。そんな旅の続きも、ファンタジーなイラストで楽しんでいただければ幸いです。
