私はある人が好きだった。
それはとても有名な人で何万、何億人が彼を知っている。
そんな彼を私は誰よりも好きだったと思う。
それも、私自身を捧げるほどに。
私が彼に出会ったのは、家でテレビを見ていた時のこと
テレビに映っていた彼はとても弱弱しくて、
今では考えられないほどに有名ではなかった。
だけど私には彼はとても輝いて見えた。
私は、人と話すことが苦手だった。
人の目を見ることが嫌いだった。
私はそれを見ることで相手を動物のように思えてしまうから。
だけどテレビの中の彼は、
不慣れながら人と目を見ながら話していた。
私はそんな彼を見て、私と同族であると思ったのと同時に
彼と目を見ながら話しをしたいと思った。
私は彼を生物的に精神的に好きになったのだと思う。
何故なら彼の瞳をテレビで見ていると
胸が、心臓が動きを速めるからだ。
最初の出会いから、5年後。
彼は、国民的スターとなった。
彼の輝きを感じていたのは私だけではなかったようで、
テレビに出演する頻度が増すに連れて
彼は人気になっていった。
私は他の人と同様に彼を推した。
彼のグッツが出ていたら貯金を使って、全種類買った。
彼がライブをすれば全て見に行った。
ファンクラブにも参加した。
愛している。
その言葉を彼に言いたい。
だが、それを彼に言うことは出来なかった。
勇気がなかった。
私は彼の輝きに中っていると
自分の弱い部分を隠せているような感じがした。
私が彼を推す日々が続いたある日。
私の運命を変えた人に出会った。
その人は神の使いで
全ての人類を救済するためにいると言う。
最初は信じていなかったが
その人の力を目の当たりにして考えを変えた。
その人は壊れたものを元に戻して私に渡した。
私は質問をした。
「この力は他にどんな事が出来るの?」
その疑問は、どのような者でも最初に出てくるであろう
在り来たりな言葉。
その人は、その質問にこう答えた。
「私の力は、人々の願いを叶えることが出来る。」
その言葉は、詐欺師が使うような言葉。
だが、私にはそれが本当に思えた。
なぜなら、つい先ほど人知を超えた力を見たのだから。
だから私はこう言った。
「私の願いを叶えてくれる?」
その人は人類を救済すると言っていた。
なら私の願い、救済をしてくれると思った。
答えはYESだった。
その人は私を最初の救済として、
何でも願いを叶えてくれるのだと言う。
それならと私は、願った。
「彼を最高のステージで見たい。」
その願いは、欲望の塊で醜いもの。
だが、私にはとても大事なことだった。
その人は言った。
「その願いを叶えましょう。」
とその顔はとても慈悲深い、神のように思えた。
こうして、私は彼にプレゼントを願った。
このプレゼントを喜んでくれることを祈りながら。
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この作品はフィクションであり、
実在する人物・団体・事件等とは一切関係ありません。