この小説にはもう一つ、見えない障害があります。 1995年当時は、世間に全く認知されていなかった障害です。
こうした障害を持つ存在によって、主人公は苦しめられています。辛いのは、障害を持って生まれたこと自体は、その本人たちの責任ではないことです。主人公が苦しめられたとしても、そんな状態に陥らせた存在をただ責めることは出来ない。
また、世間的には不自由のない生活、衣食住に不自由していない。この事実も、主人公が受けている苦痛を覆い隠してしまいます。
物質的、経済的に恵まれていれば、人格を踏みにじられても良いのか。それでも幸せと言えるのか。この小説の持つ問いの一つです。
解決のない物語。主人公が自力で乗り越えていくしかない。また、この主人公はそれだけの力を持っています。そのような少女として書いたつもりです。
消化不良感はあるかも知れませんが、最後までお読み下さってありがとうございました。