「この銀の線路の先には、まだ誰も知らない世界が続いている――」
破壊も腐食も不可能な謎の遺物「銀の線路(不磨の銀路)」と、物理法則が歪む漆黒の虚無「特異点トンネル」。多種多様な環境を持つコロニー群が数珠つなぎに連結された『|連結諸界《コネクテッド・ワールド》』において、超小型核融合炉を搭載した巨大な電気機関車は、世界を繋ぐ唯一の生命線だ。
物語は、七つのトンネルが交差する世界の心臓部、ハブ・コロニー「レムニカ」から始まる。
その中心に鎮座するプロ養成機関「ラヴァンサ・レイル・アカデミー」。そこには、自らの手でハンドルを握り、自由を掴もうとする野心的な大人たちが集う。だが、その年の入学者の中に、異質な四人がいた。
カイエン、リナリア、サヴィ、ガウス。
たまたま最年少の18歳で入学し、消去法で「第9班」としてまとめられた彼らは、未熟で、何者でもない若者たちだった。
Season 0:ラヴァンサ・レイル・アカデミー編では、彼らが鉄と油の匂いにまみれ、高度な自律運行システム「A-CAS」と格闘しながら、プロのライセンスを掴み取るまでの泥臭い一年間を描く。大人たちとの圧倒的な実力差、空間変異の恐怖、そして自分自身の劣等感。それらを乗り越える鍵は、四人の個性が完璧に噛み合う「インターロック」にあった。
しかし、アカデミー卒業はゴールではない。それは、真の旅の始まりに過ぎない。
Season 1以降:バウンダリー・ランナー編では、晴れてプロとなった彼らがチーム「アストラ」を結成し、自分たちの核融合機関車を手に入れ、レムニカの霧の先へと漕ぎ出す。
「A-CAS」でも予測不能な未踏の特異点を越え、ある時は孤立したコロニーへ希望の物資を届け、ある時は「銀の線路」の起源に迫る失われた航路を追い求める。
精密な操縦を武器とするカイエン、空間の歌を聞くリナリア、交渉の才で道を切り拓くサヴィ、そして炉心の限界を攻めるガウス。
四人の絆は、連結諸界の荒波に揉まれ、やがて伝説の「航路」を刻み込んでいくことになる。
これは、二条の銀路に人生を預けた四人の若者が、|困難《アスペラ》を越えて理想の|星《アストラ》へと至る、壮大な鉄道紀行文学である。
※小説家になろう、Talesでも連載中。
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