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「海底大陸の医者」の小話

 皆さんお久しぶりです。夜間燈です。いつも私の作品を読んでくださり、ありがとうございます。
 本日は、「海底大陸の医者」について、補足などをしたいと思います。なお、読まなくても作品に影響はないです。もしお時間ありましたら、覗いてやってください。

①書いた動機
 「海底王国の作品はあるけど、そこで病が流行ったらどうなるんだろう」、という疑問から生まれた作品です。元から病の歴史に興味があったのも、結構大きいと思います。
 ただ、創薬の過程は書くのも下調べも結構大変でした(ファンタジーなので、下調べした知識をそのまま使っているとも限りませんが)。

②黒変病について
 少し詳しい方ならもうお分かりでしょうが、黒変病のモデルは「黒死病」です。また、ここでは「ネズミが流行らせた」ということになっていますが、実際の黒死病は「ネズミについたノミ」が流行らせたそうなので、作中でもそれを採用しています。しかし、作中の技術力ではそこまで分かりませんので、書いていません。

③珊瑚薬について
 この薬もモデルがあります。かの有名な「ペニシリン」です。ペニシリンとは、簡単に言うなら「抗生物質」の一つです。実際はアオカビから作られますが、今回は海ということなので、珊瑚についたカビから作られる、という設定にしました。

④キャラクターについて
 女性キャラが主人公の話ばかり書いていたので、今回は男性キャラを主人公にしました。物静かなスイメイと、ツンデレで世話焼きなナミヒト。性格はあまり似ていない彼らですが、患者を罪人呼ばわりされた際は、何らかの怒りのアクションがある、教会が嫌い、などの共通点も確認できます。
 また、ナミヒトがスイメイに対し、「こいつの言うことに間違いはない」、「神よりもお前を信頼している」と評価しているところを見ると、彼に対して大きな信頼を寄せていることが分かります。
 その一方でスイメイも、ナミヒトの前では「子供の海豚のように」なるシーンがあったり、医療以外はナミヒトに任せっきりであるなど、ナミヒトを親のように信頼している部分がありそうですね。
 また、スイメイの医療に一途な部分は、野口英世の人生から着想を得ました。

⑤書いてて思ったこと
 実は書く際、参考にしようと創薬がテーマの小説を探しました。しかし、あまり数がなかったため、難しいテーマにしたことに気がつき、書くのを半分諦めた経緯があります。それでも、彼らの物語を作れるのは私だけだと、画面に向き合いました。
 少しクセのある作品でしたが、終わらせられたことに安心しています。その一方で、終わってしまったかと少し寂しい気持ちにもなりました。
 コンテスト用に書いた作品ではありますが、一人でも多くの人の心に残ればいいな、と思っています。

 評価やレビューも感謝しています。
 そして、読んでくださった全ての方へ。
 限られた時間の中で、私の作品を読んでくださり、本当にありがとうございます。

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