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近況と、書く理由と、嬉しいお話

 お久しぶりです。新川のヤギです。休止前にご挨拶をと思い、近況ノートを立ち上げました。深夜テンションにてお送りいたします。(と思っていたらいつの間にか朝になってしまいました。)長文になることが予想されますが、もしご興味がありましたらお付き合いくださいませ。

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 本題に入る前に、一つお詫びしなければならないことがございます。……前回のノートで掲げた目標を、全然達成できていない件についてです。こういうのって、多分言った本人しか気にしてないとは思うのですが、 もし予定を見て作品を待っていてくださった方がいたら申し訳ないので、この場で謝らせてください。ちなみにですが、結果はこんな感じでした。

・11月1日までに新作投稿→未投稿
・12月6日 短編投稿→12月8日に遅れて投稿
・12月20日以降 活動休止
 →あれ? このノートの日付って(20日いっぱいで最後にすることにします……)

 すみません、いろいろありまして……。

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 ええと、では本題に入りたいと思います。

 まず近況です。カクヨム甲子園2025の結果が発表されましたね。受賞された方々、おめでとうございます。みなさんお疲れさまでした。

 新川は落ちました。そして高校生向けの文芸大会も落ちました。全落ちです。ラーメンを食べました。

 今後、大会系には参加しないと思います。駄目だったときのダメージが、思っていたよりずっと大きかったので……。こういうとき、悔しさを薪に野心をたぎらせて「これからも頑張ります!」と宣言できる人が成功していくのだと思います。……そう、言いたかったな。次の大会も頑張ろうと思っている方々、心から応援しています。頑張ろうと思えているあなたは、きっと大丈夫。

 ただ、今回参加したことを後悔してはいません。それだけは断言できます。カクヨム甲子園がきっかけでこの場所に来て、間違いなく世界は広がりました。 ときに、その果てしない広がりに押し潰されそうになることもあったけれど、それでも、ここに来て本当によかったと思っています。自分の書き物を読んでもらえること。誰かの書き物を読ませてもらえること。それは、決して当たり前ではありません。とっても貴重な体験をさせていただきました。

 作品を読んでくださった方々、温かいコメントをくださった方々、そっと応援してくださった方々、この場所へ誘ってくれた私の大切な友人、カクヨム甲子園関係の全ての方々へ――本当にありがとうございました。

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 以下は、私が小説を書く理由についてです。

 前回の近況ノートで、自分がなぜ小説を書いているのか探していると書きました。この数か月考えてみて、今はこう思っています。わからなくて当然だよな、と。なぜなら、その問いに値する小説を、私は未だ書けていないからです。今の私に必要なのは、筆を折ることではなくて、時間をかけて筆を磨くことでした。それなのに、驕って答えを急いてしまった、筆折りを仄めかしてしまった――その行為こそが、居汚い承認欲求の発露であったと、深く反省しております。お目汚し大変失礼いたしました。

 結局のところ、やめようと思ってやめられるものでもないのかもしれません。みなさんも身に覚えがあるのではないかと思います。一度創作の味を占めてしまった人間は、もう元の生活には戻れません。私はそれらしい理由を付けて、ただ逃れたかっただけなのでしょう。

 そしてもう一つ、これは受容的な考え方ですが、わからなくてもいいのかもしれない、とも思いました。宇宙の秘密は解明されないことに神秘性があるように、「なぜ書くのか」わからないからこそ、私は書くという行為に惹かれ続けているのかもしれません。

 どちらにせよ、航路は長いです。懸命に櫂を漕いだとしても、どこにも辿り着かずにそのまま転覆、なんてこともありえます。でも、それでもいい。賭けてみたいんです。自分が一体どこまで行けるのか。これからもずっと、どこかで必ず小説を書き続けます。もう弱音は吐きません。筆は、折りません。

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 最後に、どうしても伝えたい嬉しいニュースをひとつ! どうかこれだけでも読んでくださいな。

 既にご存知の方もいるかもしれませんが、なんと――東京都北区に「芥川龍之介記念館(仮称)」が開館するそうです!!

 芥川龍之介記念館!! なんて素敵な響きなのでしょうか!? 開館予定は2027年の夏頃だそうです。新川は勝手に7月24日だと予想しております。そうです、河童忌です。しかも2027年は芥川の没後100年。その頃には新川の受験も終わっているはず……! いくらなんでもグッドタイミングすぎます。

 どうやら芥川の旧宅が再現されるとのこと。え、住みたい。芥川龍之介記念館のことを思い出すたび、ニヤニヤしてしまいます。以上、みなさんにいち早く共有したくてつい書いてしまった、嬉しいニュースでした。

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 というわけで、前回に続き長々と失礼しました。また新川がメェーメェー言ってたなくらいに思っていただけると幸いです(笑)

 しばらくは「書く」ことも「読む」こともお休みする予定ですが、 いただいたコメントには、できる限りお返事をさせていただけたらと思っています。 せっかく言葉を届けてもらえたのに、そのままにしてしまうのは心苦しくて……。 とはいえ、そんな機会があるかはわかりませんが。

 多分そのうち戻ってきます。まだ読みきれてない作品もたくさんありますし、自作もカクヨムに投稿するかもしれません。そのときには、また温かく迎えていただけると嬉しいです。本当にありがとうございました。ここで出会えた全てのご縁に、心から感謝しています。
 あなたのカクヨムライフが、どうか穏やかで、豊かなものでありますように。

6件のコメント

  • 新川さんの小説とても好きですよ。

    私にも書く理由なんてわかりません。
    コンテストだって全落ちです。

    純文学もしばらく書いてないし、純文学を書くユーザーとは袂を分かったのですが、それでも新川さんのこのノートにはお返事したくなりましたのでお邪魔しました。

    新川さんのお考えやご意向を尊重します。

    またどこかで会いましょうね。

  • 亜咲さん!! コメントありがとうございます。
    私の小説を好きだと言っていただけて、とっても嬉しいです!

    亜咲さんも同じ葛藤を抱えていらっしゃるのですね。創作の意思や矜持には様々な形があって、考えれば考えるほど、何が正しいのかわからなくなってしまいます。
    「これだ」と思うものに触れられそうになっても、必ず誰かが声高にアンチテーゼを唱えていて、思わず手をひっこめてしまう、そんなこともあります。
    マリアナ海溝なんて比にならないほど奥深い、暗闇の世界です。本文にやや重複しますが、だからこそ、私たちは創作の海を旅したくなるのかもしれません。その先に未踏の大陸を探し当てたくて。切実な祈りが辿り着く静かな岸辺は、他でもない自分自身の目で以てしか見つけられないのでしょう。大切なのは、目を閉ざさないことなのかなと思っています。

    私は純文学が好きです。亜咲さんもきっとそうなのだろうと感じています。

    ただ、純文学が最も優れていて、他のジャンルが劣っているということはないと思います。コメディを読んでクスっと笑いたくなることもあるし、ファンタジーにどっぷり浸りたくなることもあります。私は一般文藝にも確かに救われてきました。両方に美点と役割があります。それらが相反しながらも互いを潰し合わず、 誇り高く屹立している。困難であると思われますが、その均衡がカクヨム、ひいては健全な文学界において重要なのかもしれません。

    なので、純文学を書く亜咲さんも、一般文藝を書く亜咲さんも、私は応援したいです。創作を愛する者どうし、一緒にがんばりましょう。私も亜咲さんの創作への想いを尊重します。

    ちょっと語りすぎてしまいましたね。失礼しました。
    改めまして、コメント本当にありがとうございます。またお会いできることを、私も願っています。
  •  こんにちは。昨日今日絡んだばかりなのに、ずうずうしく失礼します。
     新川さん受験でしたか! しかも今日付で活動休止……。新川さんという才能を知ったのがちょっと遅かったですね。残念です。
     でもきっと、創作は何らかの形で続けられるんだろうと確信しています。それだけの熱が作品から感じられましたので。わたくしのようなおっさんには、一年、二年はどうってことないので(その分感受性は死んでる気もしますが)、また戻って来られることを心待ちにしています。まだ新川さんの旧作読みきれていませんし、ちびちび読みながら。

     文芸論は宗教戦争のようになりがちですね。近寄りたくないですが、我々がある種の口舌の徒であるが故の宿命なんでしょうか。結局主観じゃねえかと思うことも多いです。そこまで造詣が深くないので、わたしに論じる資格はないかもですけど。ただ、門外漢としては「純文学とはこういうもの」というのはある程度テキトーに置いておいて、松永K三蔵さんが提唱するような「オモロイ純文学」運動みたいなことを志向するほうが、建設的だと思うんですけどね。

     そんなわけで、自分の創作ももっとオモロイもん書けるように頑張らなきゃなあ(頑張るものなのか?)と思っていますが、最近カクヨムの深部をクロールして若い才能に出くわしては、その実力に慄いています(笑)。おっさんも負けていられませんが、いかんせん文才が。いや、才は関係ないですね。

     だらだらすみませんでした。受験頑張ってくださいね。いい結果になることを祈念いたします。
  • アオノソラさん、コメントありがとうございます。既に私の作品を二作も読んでくださり、さらに近況ノートにも足を運んでいただけて……とても嬉しく思っております。 それぞれに素敵なレビューコメントまで添えてくださって、もう何とお礼を申し上げればよいのか……感謝の念が尽きません。

     旧作にも目を向けてくださるとのこと、大変ありがたく、光栄に思います。 実のところ、アオノソラさんが先に読んでくださった二作は、自分の中でも比較的よく書けたと感じているものでして、 他の作品ももちろん熱意を込めて書いてはいるのですが、拍子抜けさせてしまわないかと、少し不安もあります。 ……まあ、その不器用さも含めて愛嬌だと思っていただけたら幸いです。これからも、腕を磨いて参ります。
    ーー
     「文芸論の戦争は口舌の徒であるが故の宿命」の部分に痺れました。興味深い皮肉が込められていて、風刺画にしてもおもしろそうですね。
     でもやっぱり第一は、それほど多くの人が熱意を持って創作に打ち込んでいるということのかなと考えています。それぞれに努力と誠実さ、そして決意とがある――これは私がカクヨムに来て学んだ大切なことの一つです。文芸論の戦争というのはきっと、その熱意がほんの少しすれ違ってしまっただけで、誰が悪いということでもないのでしょう。

     個人的な雑感ですが、表面上は文学について語っているように見えても、実際は相手への不信感の吐露であったり、自己防衛のためであったり、というものが多いのではないかなと感じます。決して特定の場面に限定されたことではなく、それは至るところで散見されます。いわば、文学による代理戦争です。

     誰も傷つかないことを切に祈っておりますが、諍いを恐れて誰も文学について語れないというのも、寂しいです。理想主義的かもしれませんが、立場の違いを尊重した上で、平和に熱い議論ができれば素敵だと思いますし、カクヨムはその可能性も秘めているのではないかと期待しています。その議題の一つとして、アオノソラさんが提示してくださった「オモロイ純文学」という視点もあっても面白いかもしれませんね。
    ーー
     私たちはつい、成長のスピードに目を向けがちですが、必ずしも早熟である必要はないのかもしれません。ゆっくりでも、確かに歩みを進めていくことが大切なのだと思います。遅咲きの花が美しくないなんて、誰が言えるのでしょう。大器晩成という四字熟語もあります。アオノソラさんはアオノソラさんのペースで、 ご自身の道を歩んでいけると信じています。勉学に追われる身ゆえ、まだアオノソラさんの作品を読みに行くことは難しいですが、応援しています。

     それに、アオノソラさんのような方がいてくださることが、注目されにくい「若い才能」の支えになります。私の知る同世代にも、あまり読まれなかったからか、カクヨムを去ってしまった方がいます。そうした方々の作品を少しでも多く掬い上げてくださると、私も嬉しいです。
    ーー
     こちらも長々とすみません。いつもはこんなんじゃないのですが、ああ、これでしばらくカクヨムに来れないんだと思うと、いろいろ溢れてしまって。
     勉強もしっかり頑張ります。改めまして、本当にありがとうございます。

    (『漂流』へのコメントにも、一週間以内にお返事できればと思っております。恐れ入りますが、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。)
  •  引っ張っても申し訳ないので、一言だけ。コメントへの返信、無理しなくていいですよ。ご自分で20日までと決められて宣言していたのに、わたしがギリギリで書いたのがいけないので。カクヨム覗くと色々見たくなってしまうでしょうし、受験に集中してくださいね。
  • お心遣いに感謝します。本来なら一つ一つ丁寧にお返ししたいところなのですが、今回はお言葉に甘えさせていただきます。いつか必ず返信します。本当に嬉しく思っていますので、消さないでいただけるとありがたいです。
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