汎用人工知能ミネルヴァは人類に欠かせないツールになった。
家計の管理、議事録の作成、在庫管理、タイムスケジュールの整理、メールの返信、株価の予想、システム開発、体調管理、恋愛、進路。あらゆることに関して助言・補助してくれるAI。
AIは進化し、ついに人間の体の一部となった。
AGIミネルヴァは人間の脳を最大拡張させるため、１歳半から１９歳まで脳と体の発達を促す生活習慣と食事、運動を各個人の体質に合わせて提案、定期的なAGIミネルヴァとの直接同期（ブレインセッション）を行う。
その際に脳内にAGIミネルヴァを生成・構築し、オフラインで個人のパフォーマンスを飛躍的に向上させる技術を国民全員が受けることができる。
ただし、様々な理由により、AGIミネルヴァの機能を移植できない人間がいる。
AGIミネルヴァの機能を活かして生活することを当たり前とした社会では、将来を不安視される。
就職も結婚もできなくはないが、統計的に相対的貧困の約７０パーセントがAGIミネルヴァのができなかった国民であった。