カクヨムで人の繋がりを辿ると、ランキングでは発見しづらい物語との出会いがあるようです。
万人受けはしない、しかし刺さる人には刺さる、そういう物語はランキングに埋もれる運命にあるのでしょう。
考えてみればそれは当たり前で、刺さる人にしか刺さらない物語を読みたければ、人の趣味趣向を読んで、そこから辿るしかないのかもしれません。
そうして見つけた物語を今までのように読み飛ばすと、そのとき何に感動したのか忘れてしまいそうなので、たまには備忘録めいたものを書いておきます。
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1. 綺麗な虚構の否定と泥臭い現実の肯定
2. 封印・消去された過去(黒歴史・トラウマ)の回帰と直視
3. 肉体的・生理的なノイズ(食欲、排泄、体臭)による生命力の表現
4. 逃げ場のない閉鎖環境・孤立空間を舞台にした本質の露呈
5. シリアスなテーマとシュールな滑稽さの同居
どの作品を読んでも、すでに完成されているメンタルモデルを持ってる作家さんでした。
一方で主人公の扱いに関しては、独特です。
いつまでも情けなく恥ずかしい自分を引きずり続ける未熟なまま成長しない主人公T
ブレない反骨精神を持ちすでに完成されていて変化しない 探偵I
主人公の成長というカタルシスを捨ててでも、変わらない(変えられない)ことについて焦点を当て続けているのが独特です。
1. 成長すること(最適化)=人間らしさ(ノイズ)の喪失
2. キラキラした成長物語(虚構)へのアンチテーゼや、リアルな苦味の肯定
3. 変わらない業(最悪な部分)を共有することでしか生まれない連帯感
不完全で変わらない人間のノイズを徹底して肯定し続けている稀有な作家性を持っている方だと感じました。
独特の後味の悪さを楽しめるかどうかで好みが別れそうですが、これはナシよりのアリ。