• ホラー
  • 恋愛

【2026年エイプリルフール】レディ・ナイトメアの奮闘Ⅱ ~生首大好き令嬢、ファンディスクの世界で首なし怪異たちに狙われる!?~

・前提作品
レディ・ナイトメアの奮闘 ~生首大好き令嬢に転生してしまったけど救いのない世界は嫌なので、呪われた館をリフォームします~
https://kakuyomu.jp/works/16817330654441879842


(前回までのあらすじ)

 乙女ゲーム風ホラーゲーム「ホーンテッド・ナイトメア」の世界に転生してしまった(自称)ごく普通の夢女子高木さくら。
 記憶が戻ったのは既に死後で、怪異である生首大好き令嬢レディ・ナイトメアと化した後。それでもどうにかハッピーエンドをもぎ取りたい! 平穏な生活(死活?)を手に入れたい! ……と、奔走したチェルシー。
 なんやかんやで従者であるゴードンとの関係性を改善させ、怪異達でアイドルユニットを組むことによって館の面々の負の感情を昇華させることに成功したチェルシー。……しかし、邪神ことニコラスは満足しなかった!

「次のステージに行こうか」……その言葉と共に、ファンディスクである「ホーンテッド・七不思議」の世界に飛ばされてしまったチェルシー。そこにいたのは骨格標本と化した前世の友人、粉雪(※HN)で――!?

 

 ***

 

 粉雪さん曰く、この学校には七つの怪談がある。
 七不思議と呼ばれる彼らに出くわすと、最悪、魂を持っていかれてしまうのだとか、なんとか。

 黄昏に染まった、人気の途絶えた教室の中。
 彼女が教えてくれた七不思議の内容は――

 追いかけてくる骨格標本。
 ピアノを弾く、半透明の音楽家。
 階段を這いまわる女。
 屋上に立つ、首のない紳士。
 トイレの鏡に映る首なし女。
 体育館の首なし幽霊。
 グラウンドの首なしサッカー青年。
 
 ……以上の――
 ん? 待って? ちょっと待って???

「首なし多くない?」
「あ、気付きました?」

 気付きました? じゃないよ。
 過半数が首なしじゃん。首なしがもはやマジョリティじゃん。
 バリエーションどこ行った?

「この世界……弱くて他の『怪異』に勝てなかった『怪異』が、復讐のために創り出した世界なんです」

 なるほどね。
「ホーンテッド・ナイトメア」の怪異たちは、良くも悪くも強力な負の感情を抱えた激ヤバ怪異達だった。
 リナ? リナはちょっと分かんないけど……何なら「階段を這い回る女」がリナすぎてリナなんじゃないかと思ってるけど……
 あいつ、まさかここでもブリッジしてるの……?

 まあそれは置いておいて。話を戻そう。
 
「首がなかったら弱いってのも変な話じゃない……?」
「あ、いえ、違います。弱いから首を収集しまくる『誰かさん』に勝てなかったみたいなんです」

 うわー、誰だろうなぁその生首大好き令嬢。
 きっと生首の眼を抉ったり耳を引きちぎったりするのが大好きだったんだろうなぁ~~~~。

 何してんの、過去のわたし!!!!

「どう考えても過半数の復讐対象わたしじゃん!!!!!」
「仕方なくないですか? 一番雑魚狩りしてましたよね」
「うそでしょ!? 『血塗れ貴公子』よりキルスコア高いの!?」
「まあ、あの人美食家ですから……」
「まるでわたしが見境なく首を狩ってたみたいに!!!!!」
「逆に見境あったんですか」
「いや別に……玩具にするだけだから誰でも良かったけど……」
「そういうところですよね」

 く、くそう。ぐうの音も出ない。
 あくまでトチ狂ってた頃の黒歴史なんですって言ったって、向こうからしたら関係ないもんね。
 どうしようかな。今の私は制服姿のか弱い乙女。首なし軍団に襲いかかられればその時点でゲームオーバーだ。デッドエンド直行間違いなし。いったいどんなエグいめに合わされるのか、考えるのさえ嫌になってくる。

「大丈夫です。体育館の首なし幽霊とグラウンドの首なし青年は仲間につけておきました」
「微妙に属性被ってるメンツ仲間に引き入れたね」
「首なし幽霊ちゃんは女の子ですよ。イケメンの趣味が合いました」
「うわー、わたしにはできないコミュニケーションの取り方」
「同担拒否ですもんね」
「うん、絶対にその感情、分かち合えない」

 だって、無理じゃない?
 好きな人は独り占めしたくなるのが人のサガってものじゃない?
 相手が多くの人に好かれそうなタイプならなおさら……。

「……で、首なし青年さんの方なんですけど……」

 と、彼女が言った途端、ガラッと教室の扉が開く。
 現れたのは、学生服を着た青年の姿だった。
 本当に自然体な動きで、当たり前のように教室に入ってきたけど、首から上がない。

 あー、こいつかあ。
 グラウンドでサッカーしてるの、こいつかあ……。

 首なし青年は身振り手振りで何か伝えようとしてくるけれど、何が言いたいのかよく分からない。
 ……でも、どうしてだろう。
 この身振り手振り、なんだか懐かしいんだよね。
 落ち着くというか、むしろ愛おしいというか……

 痺れを切らした青年は教室の黒板に歩み寄り、チョークで何事か書き始めた。首がなくても文字は書けるんだ……。

【お嬢! 俺ッス! すんません、首どっかにやりました!】

 綴られていく、勢いのある文字。
 ……見覚えしかない文字。

 ああ、うん……そう……。
 なにしてんの、ゴードン――

(続く……かもしれない……?)

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する