この「あとがき」を読んでくださっているということは、本編もお楽しみいただけたということでしょうか……少しでもそうだったら、良いのですけれど。
こちらは「明けゆく空に星を描くまで」について書きながら思っていたこと、考えていたことなどを書いたものです。小説ではありませんのであしからず。
小説は……機会があれば、後日談というか、番外編みたいなものも書いてみたいとは思っているので、また機会があればその時に。
さてさて。早速ですが、本作を書くにあたってちょっとばかり試みたことがありますのでそちらから。
本作はBLではありますが、「好き」とか「愛してる」と言った言葉をいっさい用いていません。あえてそのように書きました。そういった言葉はなくとも、互いが惹かれている様子だったり、想いが満ちる瞬間だったりを伝えたいなあ、などと己の筆力を考えてから書きなさいよ、という、ちょっと私自身にとって挑戦的な試みをいたしました。
結果は、どうでしょうか。ど、どう……? なんでしょうねえ、ちょっと中途半端になってしまったかなあ、という反省の渦に中におります。描写で伝えるというのは難しいものですね。なんでも説明したく、書き言葉にしたくなっちゃうんだ、これが。
主人公・昴はおしゃべりな方じゃないですし、物事を少し遠くから、時に第三者的に見てしまう、案外と現実主義な面があります。一方、天音は少し浮世離れしているというか。実際、現実にはいない(え、います?)だろうなあ、という、不器用な芸術家タイプです。
このふたりの会話の場面となると、天音が場を引っ張ってリードしがちなのですけれど、そもそもどちらも本音をどんどこ話すタイプではないゆえに、いやあ、会話のテンポがゆるゆるゆるゆると間延びしてしまって、会話の描写はけっこう苦労しました。
そんなふたりなので、「好き」だの「愛してる」だの言わないのは、私個人としては不思議と腹落ちしているところもあるのですが、ひとつの小説作品として見た場合、物語を落とすという意味ではあってもよかったのかも……もしくは、その言葉を使わないなら使わないなりに、もっと心の動きを丁寧に追うべきだったなあ、と猛省しております。
特に終盤の場面ですね。
昴が目を覚ましてから、エピローグに入るわけですけれど。いやあ、もっと書いても良かったかなあ、と。蛇足になるのでは、という恐怖もあり、生活感をふんだんに「匂わせる」ことでふたりの関係が進展している(どこまでかはご想像にお任せいたします)ことをね、表現しようとしたのです。伝わったでしょうか。
でもなあ、もう少し書いても良かったなあ、というのが今になっての反省です。
そして、お気づきの方がおられるかはわからないのですが、本作においてはBL文脈における「受」と「攻」を明記しておりません。それらがはっきりとわかる描写もしておりません。意図的に、です。
今言う? って感じだと思うのですけれど。
確かに、Pixivのタグづけの都合、主人公受ということで設定してはおります。が、です。書いた身としては、お好きなように読んでくださいね、という気持ちです。ハイスペ年上美形はどう料理しても美味しくいただけますからね。煮るなり焼くなり。
とまあ、書きつつも、古参ヲタクとしては王道の美形攻×平凡受に夢を見がちではありますね……いやいや、本作の解釈は、あなた次第です……!
なんだか楽しくなってきたので色々書きたいのですけれど、あとがきで場を濁すことこそ無粋ってものですね。
本作は綻びこそ多々あれ、愛情を込めて書いた作品です。
昴も天音も、拓也も佐藤さん(実は28歳)もそして真山さんも。皆んな思い入れがあります。このあとがきも含め、ここまでお読みいただきありがとうございました。
これからも、ドラマチックではないものの、日常ににじむような恋愛模様を書いていけたらと思っております。また次回作でお会いできたらと思います。それではまた。