あけましておめでとうございます。今更ですか。正月用に書いてみました。
元々、このキャラ達は昨年のコンテストに出した作品に出ています。現在は他の投稿サイトでボツボツと投稿していたりします。まあ、雰囲気はこんな感じということで書いてみました。正月でも家のことをやらされて,作品に時間を割けませんでやっと今になって出来上がるという始末。中身もぐだぐだです。お暇な時にでも読んで、作者を笑ってください。他サイトでまた書けない裏設定も入ってます
昨日は造り酒屋から良いものをもらった。昼ごはんを食べて,少し経ったんで小腹が空いてきたんで早速、食べてみようと考えていると、
「トゥーリィお姉ちゃん。チャンセルの掃除終わったよ」
「ああ、シュリンちゃんありがとう。丁度良かった。いいものもらったんだけど,食べてみる?」
シュリンちゃんは獣人狼族で見習いの修道女。このパラス聖教会の部屋住として修行中。
「どんなかなぁ。トゥーリィ。美味しいの?」
「ちょっと変わってるけど、美味しいよ。手を洗って口を濯いできてくれる?」
「はぁーい」
入れ替わりにシュリンの本当のお姉さんのセリアンがやってきた。彼女も見習いの修道女なんだ。そしてシュリンの本当の姉で獣人狼の。
「あー、お腹空いた。なんか,腹の足しになるものある?」
「セリアンは、いつも腹すかしてるね。ちゃんとあるよ。そこ座って待ってて」
「ハイハイ。いっつも腹ペコは酷いなあ。でも事実なのはしょうがない。育ち盛りなんでね」
セリアンは手を頭から背中へ回してポーズをとる。着ているケープを押し上げるようにして豊かに育った胸を強調する。
ちっ、見せびらかせやがって。つい、自分のものと比べてしまう。うん、私だって育っているんだ。と思いたい。そうだよね。多分そうだ。誰かそうだと言ってくれぇ。
「手は洗った? ならテーブルについてくれるかな」
「大丈夫。洗わなくっても綺麗なもんだよ。バッチいって、腹なんか下すもんか」
私は、ムッとした顔をセリアンに向けて、
「しのご言わずに洗ってくる。シュリンはちゃんと聞いてくれたよ。じゃないと…」
「分かったよ。洗ってくればいいよなあ」
座りかけていたセリアンは、慌てて腰を浮かせて、教会裏の洗い場へ向かっていく。
手を洗ってきたシュリンが、テーブルについてくれたんで、目の前にシリアルボールを置いてあげた。
シュリンは,それを覗き込んで、
「トゥーリィお姉ちゃん。これなぁに? 器の汁の下に粒々見えるよ?」
私は、シュリンに渡すつもりのスプーンをワンドよろしく,それをフリフリして話して上げる。
「麦麹っていうのをもらってね。昨日の夜から作ってみたんだ。甘くって栄養もあるんだよ」
「麦麹って何なの?」
「まあ、お酒の素かなあ」
「じゃあ、これお酒なの。シュリン酔っ払いになっちゃうの?」
お酒を酔っ払いと連想するって、シュリンの親って飲むとタチが悪いのかな。
「これは違うよ。酒精はないから酔わない。食べてみな。感想聞かせて?」
シュリンは、器を覗き込んで、躊躇している。まあ,初めて食べるもんだからね。胡散臭いって思ってもしょうがないよ。
「ごめんごめん。別にもらってきたミルクあるから入れてあげるよ」
私はボットからシュリンの器へミルクを注いだ。でも、シュリンはシリアルボールと私の顔を交互に見るばかりなんだよね。仕方なく,私は自分の分を急ぎ作る。ボールの中身をスプーンで掬う。スプーンには白いミルクから白いつぶつぶが覗いてる。シリアルともいえないんだけど変わっているといえば変わってる。それを口に入れてみた。
ほんのりと淡い。そして酒精なんかは感じられない。本当はもっとパサパサしているのだけれどミルクを入れたら飲み易い。これならシュリンでもいいはずだ。
シュリンも私を真似て,スプーンを口に運んでいた。
これは聖教会の厨房で教えてもらったんだ。前に、麹を発酵させるのに器を一定温度に保つ必要があるからって、主の奇跡を頼んできたんだ。奇跡キーピングを使って一昼夜。出来上がりを教会上層部でへ献上したらしい。こしょと私に作り方を教えてくれたんだ。
ほんのり甘くて飲み優しいし栄養化も高くて色々入っているんだ。好評だって聞いたよ。
すると、セリアンも手を洗ったのか,厨房へ入ってきた。
「手を洗ってきたぜぇ。俺にも頼ぁあ」
「はいはい。ちょっと待ってて。すぐ作るから」
私は椅子から立ち上がり、調理台へ移り、新しい器に麦麹を入れてミルクを注ぎ出す。
と、
「おっお前は誰だあー。シュリンどこやったぁあ」
セリアンがいきなり叫ぶんだ。慌ててみてみると、シュリンの座っていだ所にブロンドの髪をした女性が座っていた。藍色のハビットを着ている。よく見るとほんのりと頬が赤くなっている。
「トゥーリィ、うへへへ。おっおかわり、ふふ、もょらゃあもりゃえるぅかしぃらぁ」
どうやら酔っ払っているようだ。そのうちに器を掲げて,
「私が命じます。トゥーリィ、もう一杯しょもう〜し〜まぁ………、ぐう」
と,そのままテーブルに突っ伏してしまった。その拍子に手放した器がテーブルで音を立てる。
あれ、元に戻った。私が目を瞬せていると姿がまんまシュリンなんだって。どうなってるのって具合です。
「あれ、シュリンじゃないか? どうなってるのって具合だねぇ」
セリアンが私の気持ちを代弁してくれた。そして彼女はシュリンちゃんに近づいて彼女を揺すった。
「ダメだ寝てる」
私は急いでシュリンに近づくと体を引き起こした。目を瞑っているけど苦しそうな表情は見られない。いっそ気持ちよく寝ているんだね。耳を近づけて聴くと呼吸も落ち着いている。
「そう、寝てるね」
「なあ、今のは誰?」
セリアンは聞いてくる。ごもっともな質問であるんだけど、
「いや、何ね…」
「トゥーリィは知ってんだ。教えてくれよ」
「うちというか、聖教会っていうかの1番偉い…、つくった… 強いというか…、主の奇跡を…」
私は口をゴニョゴニョと濁してしまう。そりゃ。そうでしょ、だって主の啓示受けたる大聖女ですよ。この聖教会の始祖ですよ。それがあんな酔っ払いの痴態晒すなんて、誰に言っても信じないよ。既に天に召されて、私たちに崇められている方なんですから。
「じゃあ、トゥーリィが俺に奇跡を見せてくれたんだ。そうなんだろ。それより、この白いのって酒なのか? ちょっとだけ飲ませてくれよ」
なんか、変な納得をしてしまっている。というより酒精で酔ってたってことが気になっているようだ。セリアンは、私というか調理台に素早く移ると器をとって、一気に中のものを煽ると飲み干してしまった。
「ちょっとセリ…」
「あまぁー、甘い〜。甘いって酒じゃ無いじゃないか」
期待していただけに、思っていたことと違ってセリアンは一人憤慨してる。
私は,そんな一人芝居しているセリアンに、
「セリアン、あなた、酒精を知っているの? 」
って聞いてみる。
「うちの近くにいるオヤジ達に面白いものあるよって,飲んでみなって誘われるんだ。いい気持ちになるんだなあー」
即答である。もしかして小さい時から飲んでたってこと。えー。
「その後は,どうなったの?」
「別に、陽気に歌って,また飲んで。そんでもってみんなで雑魚寝だよ。楽しかったよ」
聞いて私はほっとする。セリアンの周りはいい人が多かったことに感謝した。
「セリアン、言っておくけど、この聖教会の見習いって酒精厳禁だからね。飲んじゃダメなの」
「えー、神父様飲んでるじゃねいか」
「あの人は,いいの。いちおう大人だからね。とにかくお酒ダメだからね」
「ちぇー。でも甘くって美味しいからいいや。姉御,おかわり」
「そうそう、体にいいものが沢山入ってるからいいんだよ」
私はセリアンにおかわりを用意すべく、調理台へ移ろうとした、でも気になってテーブルに溢れたものを指につけて舐めてみた。
あれ? やっぱり酒精の味がする。奇跡でも起きない限りは、こんなこと起きるわけないし。もしかして、シュリンが奇跡を願い、そして起こした?
実は誰にもいえないけど、シュリンの中には大聖女の魂がある。シュリンの死にかけたて欠けた魂の補完をしてるんだ。癒しの奇跡レスレクティをシュリンに施したのは私なんだけれど。後になって,そのことを知って驚いていたんだ。
そういえば酔っ払いって言ってたな。そのイメージが魂に伝わって大聖女が願ったのかな。まあ、内緒の話なんで黙っていよう。
「そういやぁ、姉御。これなんて言うんだ?」
「確か、アマザケ」
「やっぱり酒じゃないか」
「まあね。酒精が入ってないから、私たち子供も飲んでいいんだよ」
私も自分の分を作って口にする。うん,甘いや。飲みやすい。
あっ、飲んでいて胃が熱くなってきた。その熱が一気に全身に広がる。頭もボウッとしてきたよ。
「これひぁ…」
呂律も回らない。もしかして酒精ってイメージしただけで、これが酒精になったの。それもかなり濃いの。奇跡が起きたのかな。もしかして主も酒好きなのかな。そんなことを考えてまもなく、意識を失った。
