怖かった。凄く怖かった。 私を品定めをしてくる男の人が怖かった。
でもお兄ぃがハグしてくれた。恐れを拭ってくれた。守ってくれている。怖くない。心が落ち着いた。
そしてお兄ぃの声が私の頭の芯を震わせる。抱き寄せてくれて、背中で感じるお兄ぃの体温が私の胸を焦がす。熱いよ。熱いよぅ。疼いちゃう。溶けると感じる。頂きかなって感じる直前、
(やれやれ、それは我の役目)
疼きも熱も体から吸い上げられた。教室の後ろから、それを吸って頂を超えた女の嬌声が聞こえる。コットンだよ。私の中に残るのは悲しみ、そして寂寥感しかない。あいつが盗んでいった。喜びも楽しみもない、私は恐れと哀しみだけの器にしかなれないの。
ごめんね歩美
私の目から涙が溢れてくる。怖いを思い出した体が再び震え出した。止まってくれない。