その時、洞窟の奥から、かすかな鳴き声が響いた。二人は顔を見合わせ、声のする方へと足を向ける。
いつの間にか奥まった岩陰で、こまちゃんが、震える小さな子狼を、その身体で覆うようにして守っていた。周囲には、獣たちの争った跡が残っている。こまちゃんが、たった一匹でここまでこの子を守り抜いていたのだと、すぐに分かった。
「……こまちゃん」
「これは……妖魔…ではないな、忘狼神の、子か」
子狼は怯えたように鳴き、こまちゃんの陰に隠れる。ヒカリはゆっくりと膝をつき、両手を差し出した。
「大丈夫。もう、怖くないよ」
子狼は、震えながらもヒカリの手に鼻先を寄せた。柔らかな温もりが、掌に伝わってくる。
ーーーあとがきーーー
とりあえずコンテスト用に1巻分投稿しよう。
それからで