蛸屋　匿

「音羽（おとは）」という名を持つ少女は、もう長い間、声を失っている。 心因性失声症――それは、心が傷つきすぎて、声が出なくなる病。 学校でも、家でも、誰も本当の痛みに、見て見ぬふ…

強い霊感と少しの除霊技術を持つ高校二年の神田雅弘は、左肩に悪霊が取り憑く後輩・上野恭介と知り合う。 上野は自身が悪霊に呪われているのも気にせず、所属するオカルト同好会の活動や好…

　科学の力ってすげー！　我らが機界の極東島国ニホンへ、魔法界から平たく言うと世界征服を目論むイカれたお客様が来日。愛犬との下校中、日本語の不自由な不審者を助けようとした少年、雪川…

【2025/12/2 PV3000突破感謝】 天帝 宵。16歳。 俺には……神からの寵愛である“導《しるべ》“を使いこなす才能が自分でも情けなくなるほどに無かった。それでも、毎…

罪人となった聖女を森に捨てるだけで金がもらえる。 しがない王都の廃品回収屋のヴェインに舞い込んだ依頼。 飛びついて意気揚々と聖女を乗せた馬車を引いて王都を出たものの、殺す気マン…

※主人公は九条悠生(男)です。 探索者たちが命を懸けるダンジョン。 その最深部、A級モンスター《ブロンズ・ワイバーン》の目前で、一人の青年がスケッチブックを広げていた。 武器は…

クラスメイトが受験モードの中、美大の推薦入学に合格した花森 爽弥(はなもり そうや)は暑苦しい夏休みを暇で持て余していた。 「涼しかった俺の夏、どこ行っちゃったんだよ」 友達…

「俺より先に死んだら殺すから」平民の身でありながら公爵令嬢の護衛魔術師として名を上げていた少女、エルカは同じく護衛騎士として教会から派遣されていた少年、フェリクスと十年ぶりの再会…

やあ、ようこそお客様。夢と現を別つ場所へ。 この店では、それはそれは貴重な『蝶のしらべ』を売っているんだ。 どの蝶にも誰かの夢が詰められていてね。 無論、全てが違う夢さ。 …

死者と話すことができる。 そんな都市伝説がまことしやかに噂される中、太陽が沈む墓地には人影が伸びていた。 もう一度だけ言葉を交わしたい。 どうしても聞きたいことがある。 胸に…

僕の祖父は、ちょっと変わった職業をしていた。 私立探偵だ。しかも、平成の名探偵を自称していた変わり者だ。 そんな祖父に育てられた僕、鏡原燈真（かがみはらとうま）は、皮肉屋で観察…

大学を中退し、彼女のヒモとして生きてきた男は、異世界で狩人の娘として新たな人生を送ることとなる。 （小説家になろうにも掲載しています） 2025/10/07：第二部連載開始しまし…

　いにしえより、日本全土には「神遺」(かむい)と呼ばれる八百万の神々が齎す気まぐれな災害現象が降り注いでいた。「神遺」を鎮魂するため、人界には「山を司る異能」を山神より授かった十…

時代劇オタクの社畜、都華菜絵は死んだ。来世があるならば、わがまま放題してやると心に誓いながら。 　そして、彼女は絶世の美女・公爵家の娘クリスティーナとして生まれ変わる。前世の願い…

異世界に転生したサヤは、職業診断を受けるためギルドに来ていた。 期待に胸を高鳴らせるサヤだったが、適合した仕事はまさかの“殺し屋”で……。 受付に勧められるまま始めたはいいも…

呪術師。それは災厄を退け、人知れず民の安永を守る者。 現代の呪術師界を仕切る四大大家『四季咲《しきざき》』が一角、不香《ふきょう》家。「万物を不活性化する」という呪術特性を持つ…

　青年は、〝お守り屋〟と呼ばれていた。お守り屋とは人並外れた結界魔法を駆使し、お国が世界中から集めた〝生物兵器〟を管理するために生きるという役目を負っている。ある日、お守り屋は〝…

これは、死神に愛された人間が世界を手に入れるまでの物語。 【死界・天界・魔界】 三界と呼ばれる世界が干渉する現世。 最愛の家族だった猫を亡くし、どこか無機質な日々を送っていた…