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2025年を振り返って今年買った漢和辞典のはなし

実況「みなさんこんばんは。お久しぶりの実況かげると」
解説「解説はたかぱしです」
実況「ていうか、2025年にもなって、まだ漢和辞典のはなしですか……」
解説「なにを言ってるんですか。むしろ2025年だからこそ、漢和辞典のはなしです。いやあ、今年も素晴らしい漢和辞典イヤーでした」
実況「漢和辞典イヤーてなんですか、それ。なにがですか」
解説「なにを隠そう! 2025年は、我々漢和辞典アワードが待ち望んだ! 三省堂例解新漢和字典第六版と三省堂漢辞海第五版が出版されるという! 奇跡のような漢和辞典イヤーでした!」
実況「むしろ三省堂漢和辞典イヤーじゃないですか。あと、正確に言うと、漢辞海の公式発行年は2026年1月で、今年じゃないです」
解説「でももう本屋さんで買ったもん!」
実況「買ったのかよ。まあ、流通は今年の10月からでしたからね。それを言うと、例解新漢和も24年の12月には売られてましたし。むしろ漢和辞典的には穴だった2025年です」
解説「ぐふう。だが、しかし、我々漢和辞典アワードはその程度の事実にはめげない! 発行も改訂もめっきり少なくなった漢和辞典界にとって2025年は間違いなくお祭りイヤーでした!」
実況「はいはい、それでいいですよ。で、今年の漢和辞典発行を振りかえったところで年仕舞い、ですね」
解説「いいえ、もちろん、違います」
実況「違うのかよ」
解説「それでは一年を振り返りつつ、今年買った漢和辞典を見てみましょう」
実況「いったいこれは誰に向けた何なんですかね……」
解説「それはもちろん、『もう買わない』と誓ったはずなのに買ってしまった自分に向けた、反省会です」
実況「人を巻き込まずにひとりで勝手にやってくださいよ」
解説「まずはみなさんもご存知」
実況「聞いちゃいねえ」
解説「5月のゴールデンウィークに紹介した学研の漢字源、こちらを2冊ほど買いました」
実況「なんで2冊」
解説「新版と改訂新版ですね」
実況「んんん? あれ? ゴールデンウィークのときは確か……新版は持ってなかったような」
解説「鋭いですね。はい、あのあと買いました。でも安心してください」
実況「なにを……?」
解説「うちの漢字源、まだ5キロは越えてません! と思ったけど、念のため量ったら5.1キロでした。すみません」
実況「越えてるんかい! え、今ある漢字源は」
解説「初版・新版・改訂新版・改訂第五版・改訂第六版の5冊ですね」
実況「1冊当たり1キロの辞書が5冊……」
解説「あとは改訂第四版さえ買えば、コンプリートですね。でも安心してください」
実況「さすがにもうこれ以上は絶対買わないんですね」
解説「たとえ増えてもあと1冊です!」
実況「買う気満々だー」
解説「まあ、ただ重いだけでなく、ハンディ漢和を牽引する充実の漢字源ですから、何冊あっても無駄ではありません」
実況「(白目)」
解説「さて、続いての購入漢和辞典はこちら。大修館新漢語林です」
実況「アワード最推しの大修館、そのハンディフラグシップモデル新漢語林、ですけど。持ってましたよね」
解説「持ってたやつの、前の版のやつです。初です。まあ、第二版となにが違うのか、まだよく分かってないですが」
実況「持て余してんじゃないですか」
解説「でもおかげで、漢語林・新漢語林はコンプリートしました」
実況「アワードが始まったときは漢語林1冊だったのに……おかしいな……」
解説「反省! さてさて、続いて購入した漢和辞典はですね」
実況「絶対反省してない」
解説「じゃーん! 旺文社漢和辞典第五版です! ぴかぴかのニューフェイスですよ」
実況「あー。旺文社は、ちょっと古い漢字典第二版1冊だけでしたもんね」
解説「はい! 上級や変わり種に片寄っていたコレクションに加わった、貴重な標準漢和辞典です」
実況「へー。他の化け物みたいな漢和辞典と比べても、スリムで軽くてシンプルカラーで、使い勝手よさそうですね」
解説「はい。インデックスにも面白い特徴があって、とてもいい感じです。まあ、詳しいことは、アワードでもないので割愛しますが」
実況「僥倖です」
解説「さて、次の1冊も旺文社ですよ」
実況「いや、何冊買ってんだ」
解説「とうとう買いました! 旺文社漢字典第四版!」
実況「……もしや、それは、私たちがもったりもったりアワードをしている最中に実は発行されていたという、あの伝説の……?」
解説「はい、あの我々アワードが見逃しまくった漢字典第四版、です」
実況「くっ……漢和辞典アワードなんていうけったいな祭りをしているくせに、辞書新発行という真の祭りを逃した……あの……!」
解説「二年越しで買いました。ぴかぴか純白が眩しい漢字典の最新版です」
実況「おおー。しかし、なぜ、いまになって?」
解説「まあ、皆さんの応援とかリワードとか図書カードとかが貯まったので。いっそ漢辞海と一緒にと思って」
実況「応援、誠にありがとうございました。それにしても、本屋で漢和辞典を2冊持ってレジに行って『なんやこいつ』て思われませんでしたか?」
解説「2冊ぐらいなら、まあまあやってるので大丈夫です」
実況「まあまあやるな」
解説「むしろ、ぺーぺー支払いしようとしたらスマホが固まって、ご迷惑をかけてしまいました」
実況「辞書2冊6000円でpaypayをフリーズさせた客として記憶されてそう」
解説「というわけで、漢字典の次に買った漢和辞典はその三省堂漢辞海ですね」
実況「新しく出た第五版、ですよね」
解説「ええ、漢辞海第五版小型版と無印の2冊です」
実況「……ん?」
解説「漢字典と一緒に買った全訳漢辞海第五版小型版と古本屋で買った全訳漢辞海初版の2冊です」
実況「どさくさに古いのも買ったんですか!?」
解説「まあ、正直、漢辞海はそんなに推しでもないので敢えて、敢えて買い揃えるつもりもなくて、そのうち第四版を中古ででも買おうかなーもうちょっと値が下がるのを待とうかなー第五版が出るならそっちでいっかなーおっと初版が200円じゃんついでに買っとこ、といった感じでしたね」
実況「まったく心境が分からない。なぜその流れで買った」
解説「まあまあまあ。漢和辞典なんて何冊あっても困らないですしおすし」
実況「置くとこに困ってんだよ」
解説「さて、残す漢和辞典も少なくなって参りました」
実況「むしろ、まだ他に買ってんのかって感じなんですが」
解説「古本屋でよく知らない漢和辞典が売ってたので買いました。緑樹出版の新漢和辞典、1995年出版です」
実況「また聞いたこともない出版社の辞書……」
解説「よく分からないですが、なんとこの漢和辞典」
実況「はいはい、なんですか」
解説「定価が5200円という、高級ハンディ漢和辞典なのです」
実況「5200円の辞書って……今でもないですよ!?」
解説「まさに漢和辞典バブルの産み出した漢和辞典、なのかもしれません」
実況「なんじゃそりゃ。で、どういう出版社のどういう漢和辞典なんですか?」
解説「紙が厚くて贅沢なこと以外、極めて普通の、むしろ親字少なくて特長もない、そんな漢和辞典です。出版社は調べてないんで知りません」
実況「また微妙なものを買いましたね」
解説「さて。ここまで無駄に長口舌を振るってきましたが」
実況「無駄な自覚はあったんですね」
解説「実は、最後の1冊、ただこの1冊を自慢したいがために話してきました!」
実況「反省するためじゃなかったんかい」
解説「つい最近手に入れた1冊なんですが、それはもう大変な葛藤のすえに購入を決断した、そんな1冊です」
実況「いうて漢和辞典でしょうに」
解説「実は、今年ここまで購入した漢和辞典は8冊。所持漢和辞典数は49冊。さすがに50は越えてはいけない。越えなければ『たくさんあるって言ってもさすがに50冊も持ってないですよー』って誤魔化せる。もう終わりにしよう。新しい漢字典と漢辞海も買ったし。もう1冊も増やさない。そう思っていたのです」
実況「うん、49冊ってのは聞かなかったことにしますね」
解説「しかし! ずっとほしいほしいと言い続け、しかしお目にかかることもなく、いつかどこか機会があったらいいけどないだろうなーと思っていた漢和辞典が、未使用品でメルカリに!!! はい、ぽちっとなー」
実況「軽い。50の壁が軽い」
解説「というわけで、2025年記念すべき50冊目の漢和辞典、岩波新漢語辞典第三版をとうとう買いました!」
実況「うん、分からん」
解説「感無量です」
実況「そんなにすごい漢和辞典なんですか?」
解説「や、別に、そういうわけじゃないんですが。アワードのときからほしいほしいと言ってたやつ、ただそれだけです」
実況「……そうなんですか」
解説「これからじっくり堪能したいと思います」
実況「はいはい、よかったですね。でも、その前に」
解説「前に?」
実況「早く本棚を整理して、漢和辞典を片付けられるようにしてください! このままじゃ大掃除もできないです!」
解説「ひゃー(゚∀゚)」
実況「年明けに溢れてたら捨てますからね」
解説「ひょー(゚∀゚)」
実況「んもう。それでは皆さま、残り少ない2025年も恙無くお過ごしください」
解説「さーい」

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