(音楽 『PLAZMA』の三味線バージョン)
一人が出て来て、そわそわしながら立つ。
そこへもう一人が登場。
「遅くなっちゃった。待った?」
「いや、今来たところだよ」」
「だったら30分遅刻。謝れ!」
「いい性格してるな。」
「そりゃあ男どうしのクリスマスだしな。」
「ぼっちを避けて二人盛り上がる。いいじゃないか。」
「虚しくないか?」
「何言ってるんだ。出会いがあるかもしれないぞ。向こうもは女性二人。
バーテンに頼んで『あちらのお客様からです。』って飲み物をプレゼント。
実は向こうも肉食女子だ。そのまま盛り上がって、『あ、酔ってしまって今夜は帰れないわ、』とか言われて、
『君が帰るのは僕の腕の中さ』とか言って二人の世界へ…ってなるかもしれんだろ。」
「ま、想像するのは勝手だ。…この店だ。」
「焼肉?しかも立ち食いかよ!」
「ああ。クリスマスに立ち食い焼肉に来るのは、何かを諦めてる連中ばかりだ。
お前が好きな肉食女子もいるぞ。」
「こんな日にやけ食いしてる肉食女子なんか要らない。」
「まあ、そうかもな。でも『あちらのお客様からです。』やってみるか?」
「…何渡すんだよ。キムチの皿か?そんなことしたら、『私、そんな安い女じゃないわ。特上カルビを10皿!』とか言われるんだ。」
「かもな。そのあとどうなる?」
「特上カルビを追加して結局20皿食って、『あ、食べ過ぎて今夜は帰れない』とか言われるんだ。
店からは邪魔だからこの粗大ごみ持ち帰れ、とか言われるけど重くて動かない。 仕方ないから放置して逃げようとしたら、店の人が勘定書きもって追いかけてくる。十万円だって。しかも3万円は粗大ごみ処理代。」
「…、ま、その作戦はやめとこう。とりあえずビールで乾杯な。」
「かんぱーい!メリクリ!」
「シャンペンじゃないけどいいよな。じゃあプレゼント交換でもするか。
「ああ。俺からはこれだ。」
「この紙袋、開けてもいいか?」
「今はおすすめしない。」
「そう言われると気になるな…くさっ!」
「クリスマスらしく靴下だ。三日間履いたやつだけど、脱ぎたてのほやほやだ。」
「要らねーよ。俺からはこれだ。」
「小さいな。何だこれ?… 栗?」
「ああ。プレゼントは栗で済ます。これこそクリスマス!」
「しょーもな。」
「靴下よりましたろ。」
「じゃあ肉頼もう。」
「おお、いいね。」
「牛タンいこか?」
「俺は牛とディープキスする趣味はない。」
「そんなこと言ってたら睾丸なんか食えんぞ。」
「何が悲しくて男同士でクリスマスに牛のキャンタマ食わんといかんのだ。」
「豚のもあるぞ」
「そう言う問題じゃない。」
「
「じゃあ、あそこの女子二人に何か奢るか?」
「共食いしてるのは要らん。それより冷麺だな。」
」
「最初からそれか?」
「だって俺、麺喰いだから。」
「誰がうまいこと言えと。じゃ、ロースいこうか。」
「いいねいいね。」
「じゃあ選んで。上ロース、チンジャオロース、ニトロセルロース」
「二番目はロースーだろ。」
「一応肉だけど。」
「俺、ピーマン嫌いだし。何だよ最後のは。」
「平たく言うと、火薬の材料だ。」
「そんなもの、火にかけたら大変なことになるだろ。ありえん。」
「いいんだよ。全部ロースだ。」
「意味がわかんねえよ。」
「クリスマスだけに、これがホントの三択ロース」
「いい加減にしろ!」
「「ありがとうございました~」」
¥¥¥¥¥¥¥¥」
クリスマス漫才、いかがでしたか?
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