SFを書いていると、ときどき「ここまで科学の話を続けて大丈夫だろうか」と思うことがあります。
第13-5話から数話ほど、またかなりやってしまいました。
金属片の組成、4億年前という年代測定、ナノスケールの構造、ペンローズ・タイル。そして五つのオフセットから、黄金比、カオス境界、微細構造定数、円周率へ。最後には、4億年前の太陽系という「場所と時間」まで数字の中に入り込んできます。
正直に言えば、これは「科学描写」より「科学の奔流」に近いかもしれません。
でも、私はこの圧倒的な情報量こそ、SFの醍醐味の一つだと思っています。
知らない言葉が出てくる。
数字が並ぶ。
何を計算しているのか分からない。
それでも、登場人物たちが一つずつ意味を見つけていく。
そして読者も、その背中を追いながら「何か、とんでもないものを見ている」と感じる。
もちろん、科学描写が多すぎると、物語から置いていかれてしまう方もいるでしょう。
一方で、SFが好きな方にとっては、この「圧」こそが楽しいのではないでしょうか。
さて、皆さんはどうですか?
SFを読んでいて、「もう少し科学の話をしてくれ」と思うタイプでしょうか。
それとも、「分からなくてもいいから、物語を先に進めてくれ」と思うタイプでしょうか。
私は……前者です。
だから、たぶんこれからも、やります。