「外の世界には、俺なんかでは到底かなわない強者が大勢いる」
神話に名を残す怪物たちにそう教えられ、魔境の奥で育った青年カイル。
十八歳になった彼は、自分の力がどこまで通用するのか不安を抱えながら、初めて外の世界へ旅立つ。
ところが――。
最低ランクだと思って倒した魔物は、国を滅ぼしかねない災害級。
初歩のつもりで放った魔法は、測定不能。
そして、王国最強の剣聖には、剣を抜く前に勝ってしまった。
それでもカイルは考える。
「運がよかった。外の強者が本気を出せば、俺など一瞬で負けるはずだ」
違う。まったく違う。
弱いのはカイルではなく、彼を育てた者たちの基準がおかしかったのだ。
本人だけが自分の規格外ぶりに気づかないまま、剣聖を弟子にし、古竜を従え、ついには魔王から戦う前に降伏される。
これは、世界最強の青年が伝説級の強者たちを過大評価しながら、無自覚に世界の常識を壊していく、剣と魔法の勘違い無双コメディ。