@sudumi

書架の国を観光中の魔術師とその弟子が立ち寄ったのは、「図書騎士の弱点」と噂される屋台。休憩時間にそれを食べられないと騎士達が泣き崩れるのでそう呼ばれる、らしい。 剣と魔法の世界…

　次々と子供が行方不明になって、ある日突然ふらりと帰ってくる。帰ってきた子供達は何も覚えていないのに、異様に魔術を恐れるようになっている。 　そんな奇妙な事件が多発している街で…

雪がちらつき始めた冬の夕暮れ、街を出た勇者と仲間達は天幕を張り、焚き火を熾して夕食の準備を始める。エルフの魔法使いは肉を食べないので、今日は芋多めの野草シチュー。 魔法の世界エ…

熾火のような赤黒い夕焼けと、一寸先も見えぬ濃霧。このふたつが合わさった時、人を焼き尽くす渡火〈ワタリビ〉が現れる── そんな伝承がある村で、孤独に耐えかねた少年「無色」は、自分…

駆竜（くりゅう）の里に住まう少女テナは、相棒の竜モーロと共に平原を駆ける！　つもりだったのだが……なんでかこいつ、全然動かない。

魔術師の卵ヨールの師匠は困った人だ。魔術の腕は確かだが、とにかく外に出ようとしない。大樹の下の小さな家に引きこもって、キノコのようにじめじめ暮らしている。たまには天日干しにしない…

　魔法と魔術の最高峰が集う「月の塔」で、魔術師の変死体が次々と発見される。腹部に縦一本、綺麗にメスを入れられた遺体からは、そこにあるはずの「遺石」が奪われていた。「ルヴァルフェン…

　辺境の村の孤独な狩人が、ある日突然勇者に選ばれる。重い使命に戸惑う彼にはしかし、故郷では望んでも得られなかった「仲間」ができた。 　階段を下りるだけで力尽きる神官、ぼんやりの…

新石器時代のシベリア。神霊を敬いながら暮らす〈森の民〉のもとへ、南から、太陽神を信仰する開拓者たちがやってきた。友好の使者として送られたマシゥと、狩人の青年ビーヴァの、友情と闘い…

【あらすじ】 1250年、フランスのルイ九世は第七回となる十字軍を率いて、アイユーブ朝のエジプトを侵略した。エルサレム奪回のため、その支配者であるアイユーブ朝を倒すためである。対…

異常な痣とともに少年ロクドは生まれた。 左の指先から手首までを、深い深い暗闇の沼に浸したような、異常な痣。それは、彼の人生を決定づける、忌まわしい呪いの印だった。 呪いに蝕まれ…

　王国海軍のリチャード・アーサー少佐が着任を命じられたのは、女性たちが運用する駆逐艦だった。舞台は荒れ狂う北の海。同盟国行き輸送船団を死守せんとする、第一〇一護衛戦隊の物語がいま…

国境に位置するその街には、軍隊と共に、魔術を駆使して街を守る『魔女』がいる。 マリアは王城に勤めていたが、決して明るみになってはいけない秘密を抱えていた。 父の行方を追う歌姫と…

小国の王子だったシンキは異民族の侵攻により国をなくし、わずかな手勢とともに落ち延びる。 祖国の再建を目指し、流れる青年達の冒険物語。

「出雲国風土記」と「古事記」の私的解釈。 倭国大乱の時代を舞台にした物語。 十五歳の狭霧は、出雲の国の姫。 父は武王、祖父は賢王、母は伝説じみた女将軍と、家系には大物が揃ってい…

【第29回スニーカー大賞】一次選考突破作品 ご飯を食べたくて飛行搭乗員になった、海軍兵曹の黄里糖子。 戦時下でありながら戦闘とは無縁な「流刑地」と呼ばれる基地で安穏とした日々を…

奴隷狩りに捕らえられた少年は商人に買われ、冒険者の道を強要される。 冒険者適性が壊滅的になかった少年は仕方なく、誰でもなれる（そして一番死にやすい）魔法使いとして迷宮に挑むのだ。…