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いくひ誌。【2621~2630】

※日々、同じ毎日を繰りかえしていきたい、変わらぬいまを生きていたい、ゆめも失意もいっしょくたにして、希望もうつつもひとからげにして。


2621:【ほわほわじゃ】
むつかしいことなんも考えたくないし、考えたところでなんも解らんし、なのに世のなかむつかしいことばかりでまったくもう、まったくまったく、となってしまうな。でもいくひしさんが考えなくともどこかの誰かがむつかしいことを考えて、えいやって解いてくれるので、すごいなもう、すごいなすごいな、となる。まったくもう、まったくまったく。


2622:【熱量の発散】
データセンターなどにおけるコンピューターの性能が向上するにつれて、体積あたりにおける熱量は上昇する傾向にある。今後もコンピューターの性能は指数関数的に進歩していくと考えられるが、その前に、発生する熱量をどのように処理するか、冷房や空調の設備をどのように設計するかのほうがネックとなって実用化に及ばない可能性が高そうだ。冷やしすぎれば結露となるので巨大な冷蔵庫に入れればよいというわけでもなさそうだし、どのように解決するのだろう。コンピューターの密度もあがっていくだろうし、空気の流れをどのように取り入れるか、或いはそもそもコンピューターそのものに冷水の通る道をつくるくらいのことをしないと実用化に向かないのかもしれない(ここでイメージしているのは冷水ポンプとは別の冷却機構だ。毛細血管のようなものか、或いは骨格や基盤そのものに「骨に通る血管」のようなものを組みこむ構造をイメージしている)。空調や冷房の技術は、空気の流れをコントロールすることを含めて今後ますます、社会の発展に不可欠な技術となっていくだろう。(社会の発展に不可欠でない技術なんてものがあるとは思わないが)


2623:【あいまいな言動】
いまはどの業界もピラミッド構造だ。下請けはうえから降ってくる仕事を機械的にさばいていればそれでよかった。上のご機嫌をとるべく見積書では、上部層企業の利益を含めたものをだすため、顧客からは高いのなんだの言われるがそれだって下請け自身がもらえる利益は見積書にある値段の一割以下だ。上への忖度(或いは下からの忖度)なしに現行のピラミッド構造は成立し得ない。ともあれ、それだけ上部層の企業がリスクを負っていることの裏返しでもあり、仕事を受注し、下部層へと流すことの意義はそれなりに高いと言えそうだ。だがこれからはこのピラミッド構造は崩れていくだろう。すっかりなくなることはないが、上部層と下部層の関係はもっと公平に、平等になるだろう。つまり、情報通信技術やAIなどによる情報管理技術があがっていくため、見積書などの数字の透明性もまたあがっていく。上部層企業への忖度から見積書に載せる値段を高くする、という行為そのものが是正されざるを得なくなるし、下部層で行われる不毛な価格競争にも歯止めがかかることだろう。もっと言えば、アニメ業界におけるネットフリックスのような外資系企業が参入し、上部層企業に打って変わってこの国のピラミッド構造を根こそぎ刷新してしまうかもしれない。その公算が高そうだが、いずれにせよ、この国の企業で明確に未来へのビジョンを描いているところはそれほど多くはなさそうだ。危機がきてからでは遅いのでは、とすっかり虫歯になった奥歯を懸命に歯ブラシで磨きながらお寝坊さんはそう思ったのだそうだ。


2624:【まっくらにちかい】
あらゆる分野に明るくないいくひしさんだが、もちろんIT業界にもまったく明るくない。ロウソクの灯よりも暗いと言ってもよい。そこにきてさいきん覚えた疑問の一つに、通信技術の展望がある。5Gに代表されるような一秒あたりの通信量の増加は技術の発展と共に今後とも伸びていくだろうことは予想できるが、それよりも現状二種類ある通信契約の形態が技術の発展に伴い一本化するのか、それとも現状のまま二本なのか、はたまたそれ以上に分岐するのかの予想がつかない。いわゆる通信障害の保証をしないのが「ベストエフォート型」と呼ばれるもので、保障するのが「ギャランティ型」だ。ざっくりした説明でしかないので話半分に読んでほしいが、現状スマホやPCなどのインターネットに用いられる形態の多くは「ベストエフォート型」だ。通信が低速になったり途切れたり、通信障害が起きてしまうが、私生活で使う分には支障がない。そういう通信の形態だ。他方、「ギャランティ型」はそうした通信障害が発生しないように可能なかぎり対処してくれることを保障された通信形態で、その分、値段も割高だ。ただ、通信技術が高まっていけば現状の「ギャランティ型」の通信を安価に提供できるようになるだろうし、新たにセキュリティ面などの付加価値をつけて新しい通信形態のサービスが登場しそうな気がするが、そこのところはどうなっていくのだろう。一秒あたりの通信量が増え、端末の情報処理能力が向上すれば必然的に、個人情報が流出しやすくなる。一瞬で端末のメモリにある情報を抜き取ることもいまよりずっと簡単になるだろう。そうしたセキュリティは端末ごとに施すべきなのか、それともそもそも通信サービスの責任として、セキュリティサービスが通信技術に付属するのか、IT業界ではどのような方向に技術やサービスを展開していくつもりでいるのだろうか、とすこしだけ気になった。照明ライトくらいにその道に明るいひとにいちど話を聞いてみたいものだが、そもそもこの疑問が疑問として成立していない可能性もある。つまり、前提知識に誤りがあり、ウサギとコーヒーはどっちが速いのか、と問うのに似たチグハグサがあるとも考えられるが、厳密に条件を定めれば、ウサギとコーヒーのどちらが速く移動するのかは解答可能だろう。ともあれ、通信技術は複雑化していくのか、それとも一つに統合されていくのか、気になるところだ。未来を覗いてみたいものである。


2625:【指針があってこその地図】
「明確なビジョン」なる自家撞着ここに極まれりな言葉を使ってしまった。上記「2623」です。明確ではないからこそビジョンなのだ。ハッキリさせるべきは設計であり理想ではない。でも矛盾は嫌いではないので、明確なビジョンなるものを模索するのも、それはそれで楽しそうだ。


2626:【道消し】
ビジョンがなんなの、そんなものまんちゃん一個でも思い描いたことあるのいままで生きてきたなかでいちどでもさあ、ないよね、ないでしょ。あるってなんでそんなすぐバレる嘘つくの。ないよね、ないの、ないんだって。だいたい設計図だって引いたことないじゃん、ここ数年まともに直線すら引いたことないくせして定規を持ったこともないくせしてどのツラさげてそんなえっらそうな知ったくち叩けるわけ信じらんない。まんちゃんのよくない癖だと思うよ。そういうのどうかと思うよ。いくらよわっちくてみじめでみすぼらしいからってじぶんを大きく見せて何がしたいの。もっとずっと本当のじぶんよりちいさく見えちゃうだけだよバレバレだよ。気をつけたほうがいいと思うよ、あたしはこうして言ったげるけどほかのひとたちはだって、ほら、ねえ? じぶんを偽るな、飾りつけるな、とは言わないよ。でもまんちゃんのそれは逆効果だから。無意味だから。気をつけたほうがいいよって、はぁ、前にも言ったげた気がするんだけどなあ。まあいいけどね、困るのあたしじゃないし。眺めてる分には愉快だし。ま、がんばって。なりたいんでしょ、道化師にでも。お似合いだよ。まだまだぜんぜん笑えたもんじゃないけどさ。


2627:【ぐらふ】
解らないことがたくさんあるなあ、と漠然と実感できるくらいならわくわくして生きていられるのに、どうして定量的に、既知のものがこれくらいで未知の領域はこれくらい、と可視化しようとすると途端にわくわくして生きることを投げだしたくなるのだろうね。既知をこの私という器に溜めることこそが生きる証なのだと勘違いしていたじぶんに気づいてしまうからだろうか。知っていることなんて未知の領域に比べたらほとんどないに等しいのだと、無にちかいのだと、極限に希薄なのだと、ぺらっぺらなのだと自覚することでじぶんの存在意義までもがぺらっぺらになった気になってしまうからだろうか。それとも、そのどうしようもない価値観のぺらっぺらさに哀しくなってしまうのかな。立派でありたいとは思わないけれど、立派でないじぶんを情けなく思ってはいるのだね。やっぱりそのどうしようもない価値観でじぶんの存在意義を量り、あまつさえその物差しを他人にも向けてしまっているだろう無意識からの性根の歪み具合から目を逸らしていたいし、できればその物差しごと我が身を遠くどこか目の届かないところへと投げ捨ててしまいたいし、そうしてそうした物差しを胸に仕舞いこんだ人々をこの世の果てのどこかへと擲ちたいと望んでしまう己が卑しさからも逃げだしてしまいたい。道理でなあ。わくわくできないわけだ。でもわくわくして生きていたいので、ぺらっぺらな事実からはいましばらく目を逸らしておくことにする。


2628:【うるせー】
いくひし、てめぇがぺらっぺらかどうかなんてどーでもいいんだよ、厚切りベーコンかどうかなんてのもどーでもいいんだよ、いいからはよ新作仕上げろや、なぁにがぺらっぺらじゃ、英語ちゃうんねんぞ、しゃべんな口閉じてろ、まずは物を語れ、垂れてんじゃねぇよ能書きをよォ。


2629:【うわーん】
こわいこと言わないでほしぃ。だって休んでいいって言ったもん、ラクしていいって、サボっていいって、ちゃんと寝なさいって言ったのにそういうのずるいと思う。こわいのなし。やだ。もっとやさしくしてがいい。


2630:【てこずった】
やっと一つつくりかけの小説を閉じました。予定では先月中に終わっているはずだったのですが大幅に遅れてしまいました。なんとか六万字内に収めたかったのにけっきょく八万字に達してしまって、ひとまず寝かせたあとで推敲しがてら削っていこうと思います。いくひしさん最後の百合小説となりますが、つくりかけの百合小説がまだ一つ残っているので、きょうからそちらを閉じていきます。そっちは四万字以内に収めたいのですが、いけるでしょうか。自信がありません。それを終えたらつくりかけのミステリが二つ、こちらは双方共に六万字以内に収めたいな、と思っていますが、手掛けて、そのあとは長編を二つ閉じればもう秋になっていそうですね。合間合間に掌編をいくつかつくれたらいいなぁ、と望むだけならタダなので望んでおきます。そろそろ大巨編をもういちどつくってみたいな、と構想を練るというほどでもないのですが、妄想しています。初作品と同じくらいの百万文字の物語を五年後くらいにつくれたらいいなぁ、と思っています。そのあいだに掌編短編を合計で千作つくれたら(つまりあと七百作くらいつくれたら)、やったー、となるのですが、それはさすがに無茶な気がしています。千作をつくり終えたくらいを目途にすべての自作を著作権フリーのパブリックドメインにしようと考えています。そのときに「郁菱万」としての活動はおしまいにして、新しい名義でまたゼロから活動していこうと予定を立てていますが、予定は狂うのが世の常でありますから、どうなるかは分かりません。五年後、十年後を俟たずに文芸から遠ざかってしまうかもしれませんし、そのときにはもう生きていないかもしれません。つくりたいものをつくりたいときにつくれるだけつくれたら、さいあく予定通りの人生でなくともまったく構いません。というよりも予定通りでないほうが面白そうじゃないですか? はやく文芸に飽きて、もっと楽しいことと出会えたらそちらのほうがよいなあ、とも思っていますが、いまはまだもうすこしだけ文芸での創作を楽しんでいきたいなあ、と高望みしています。以上、2020年03月25日のいくひしまんでした。


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参照:いくひ誌。【2531~2540】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054894151120

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