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いくひ誌。【521~530】

※日々と口にしながらも日々異なるいちにちを生きている、日々ちがうことが常であり、それゆえ日々は日々たり得る、日々に変化がないならば、そこに日々は浮かばない。


521:【寄り添う】
SNSを利用したプロモーションには限度がある。思いのほか期待値が低い、と言い換えてもいい。なぜなら何十万人のフォロワーを得ても、一人一人のフォロワーからすれば、日々消化していく何千何百というその他有象無象のコンテンツの一つでしかないからだ。その人物にとってのかけがえのない何かに成り得なければ、いまのこの情報過多な社会では生き残れない。印象に残れない、とそれを言い直してもいい。SNSは、SNSである以上、希薄な情報を扱うツールとしての認識を持たれつづけ、誰かのかけがえのない何かに昇華されることは期待できない。いっぽうで、SNSというシステムとしては、誰かのかけがえのない何かにはなり得る――また、現代人の何割かはすでにSNSを生活の基盤として組み込んでいるはずだ。しかし、SNSに載せられた特定のアカウントを消費することに人生の貴重な労力を費やす者はかぎられる。片手間で眺めるのが性に合っているのがSNSの特徴であり、長所である。濃厚であってはならないのである。とろみのない希薄な液体はすぐさま流動し、蒸散する。長く寵愛を受けるのは至難である。知名度をあげる手法としてのSNSは有効だが、プロモーションとしては不足である。


522:【提供】
いくひしの提供しているものは情報ではない。ひらめきの軌跡そのものである。回廊と翻訳してもいい。或いは、回路と。


523:【なぜカクヨムなのか】
クラウド代わりに利用しててね。作品をネットに保存しておきたい。人間いつ死ぬかわからんしね。だから可能なかぎり長くネット上に残るだろうサイトを選びたい。いまのところカクヨムが息長そう、って判断基準。ほかにいいとこあったら教えてほしい。


524:【もっかい】
もっかいがんばるか。プライドなんて捨てちまえ。


525:【テーマは描くもの】
テーマを決める。よくある創作論だが、そこでだいじになってくるのは、そのテーマの主題をずばりこれですという単語に変換して物語に組みこまないことだ。愛がテーマならば「愛」という単語を使わない。サイコパスがテーマならば「サイコパス」という単語を用いない。これだけでテーマは浮きあがるものになる。テーマと主張は異なる。合致することもあるが、そのとき大概はテーマとして失敗する。気をつけよう。


526:【箱の中身】
評論家は名前のないなにかしらに名前を定め、それを世に浸透させる。小説家は名前のありように関係なく、それまで認知されていなかったなにかしらを物語を通じて浮き彫りにする。名前があるようで、しかしそれはみなが共通認識しているそれとはどこかちがう。そういうものも含まれる。物語はひとつのそれで言語である。すでにある言葉を駆使して語られ、かたどられるものであるにせよ、言葉では言い表せないなにかしらを想起させてこそ、物語にする意味がある。言語とは箱である。枠組みがなければ掬えないが、肝要なのはその中身にある。


527:【きかざるな、されど中身をさらけるな】
いいか? いいこと言ったってクズはクズだ。あたしに言わせりゃクズほどいいこと言いたがる。なぁにが気をつけようだ、おめぇがまず気をつけろや。肝要なのは中身である、じゃねぇんだよ、おまえの中身がいちばん汚ねぇんだよ、洗剤呑み干して滝壺に落ちろや、顔面削いで出直せや。


528:【まったくもう】
きみはすぐそういうこと言う。泣きながらそういうこと言う。よくないよ。


529:【ぎゃくこうか】
どちらかと言うと、あなたがそうやってすぐに慰めに走るから、あのコは慰められたいがためにそうするようにそうしてしまうのではないかな。放っておけばいい。それで損をするのも傷つくのもあのコだ。ぼくらではない。


530:【いやいやいや!】
とばっちりですから! とんだとばっちり受けますから!

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