皆さんは登場人物のプロット、どのように作っていますか?
私のSleeping Re;collection-においては、作品を書き始める前に登場人物のプロットなどは作成したことがありません。
よく聞く「キャラクターが勝手に動く、喋る」というのと同じようなものですが、100話単位想定自作の場合、私は登場人物の成長過程をサッと逆算します。
登場人物の『伸び代』を想定に組み込むわけです。
例えば、昔ヤンチャだったヤンキーがいたとします。
成長イベントを
①大好きだったおばあちゃんが亡くなる。
②バイク事故を起こして親友を大怪我させる
③恩師と言える大人と出会う
このいずれかを経験して、
・バイク修理屋を始め、真面目に働くようになった。
成長イベントの経路によって、彼がどのような内省をして真面目に働くようになったかを想定します。
すると初期設定で喋り出す言葉や性格、立ち振舞いというのが「過去を振り返って」成長前を俯瞰して作り出せる、という感じです。
そうすると登場人物の成長過程が見えて、共感したり、言葉の重みを感じてくれたりします。
これは私独自の「育て方」なので賛否両論だとは思います。
ただ、「ある日突然、最強になりました」みたいなテンプレは回避できることと、登場人物一人一人に厚みを持たせることはできるので、個人的にオススメです。
ちなみに、櫻井麻衣はこの方法の典型です。
麻衣の初期人格だけを見ると、責任感が強く、家族思いで、自己犠牲的な少女です。
しかし、それは完成された美徳ではありません。
彼女の伸び代は、他人を守ることと、自分を犠牲にすることを混同している点にあります。
私はこの「混同」している、不確かでリアリティのある人間性を大切にしています。
よく物語では、ある時を境目にいきなり聖者になったりするものですが、人間はそんなに簡単には変われません。
泥臭く、人間味があり、変わろうとしながらも本質が見え隠れする。それが人間です。
私が設計しているのは、「性格が変わる過程」ではなく、「同じ本質を抱えた人間が、その本質との付き合い方を変えていく過程」なのだと思います。
そりゃ勇者が魔王討伐直前の最終章で、いきなり初期設定に戻って臆病風に吹かれたらお話しになりませんが、葬送のフリーレンに出てくるシュタルクみたいに、ブルブル震えながらも戦うほうが読者の心を掴むと思います。いいぞシュタルクもっとやれ。
なんて冗談も程々にですが、私が読みたい作品というのはこんな感じです。