皆様、はじめまして。『雨野うずめ』と申します。
この度、『遠州七神宮おみくじ奇譚』という物語を、このカクヨムの地で紡がせていただくことになりました。
これは、静岡県浜松市の架空の神社を舞台にした、三人の男女の物語です。
ある者は、拳で頂点を極めたものの、今は子供との接し方一つに悩み、立ち尽くす元格闘家 。
ある者は、輝かしい夢を持つ友人を隣に、自分の進むべき道が見えず、ただ境内を掃き清める日々を送る巫女の少女 。
そしてある者は、たった一人の娘の幸せを願いながらも、過去に縛られ「おめでとう」の一言すら伝えられない不器用な父親 。
生きる場所も、年齢も、抱える悩みも違う三人。
そんな彼らが元旦の神社で手にしたのは、神様のささやかな勘違いで入れ替わってしまった、自分のものではない“お告げ”でした 。
『先行きを案ずるよりも、飛び込むが吉』
『身近に聞こえる声が、道しるべ』
『言葉出さずとも、大切に想う気持ちは伝わる』
間違った処方箋は、果たして彼らの心を救う薬となるのか、それとも―。
どうか、三人の運命の行方を、最後まで見届けていただければ幸いです。
