私の小説が目に留まり読んで頂いた読者の皆様、感謝します。田野浩之です。
相変わらず更新がゆっくりなのは申し訳ないと思っています。
私はこの青春都市の小説についてずっと悩んでいたことがあります。単刀直入にタイトルの通りです。
この小説を書くにあたって当初からの設定では、長年のいじめで人生狂った田上博という中年男性が地方小都市の無人駅で無念の死を遂げることから始まります。
しかし彼は東京で生まれ変わり、文武両道のイケメンで温厚な好青年である田中弘樹として公私ともに幸せな人生を送っています。他の転生作品の多くは前世の記憶があり、転生してからは反省したり努力したりして前世の鬱憤を晴らします。
でも当時の私はその路線は取りませんでした。理由はこうでした。
「前世の記憶があるとする。ならばダメ人間が転生したらいきなり完璧超人に変身するのはおかしい。そもそも前世の癖、能力、性格、知識、そしてトラウマ。それらを引き継ぐのだ。いきなり現世で上手くいくはずがない」と決めつけていました。
小説を執筆し始めて、設定では前世の男の博が自身の教訓を書いた「博ノート」を遺していて事情を知らぬ来世の自分である弘樹がそれを見て学ぶというものでした。
しかし執筆が上手くいかない。博ノートを紹介するタイミングも何もかも無理があって、いつの間にか博ノートの事はなかったことになっていました。つまり設定ミスであると同時に私、田野の能力不足でありました。
そして、前世の記憶なしの理由についても色々と考えました。いくら前世がダメ人間とはいえ、正義感もあり、優しさもあり、不運があり前世では頑張れなかったけれど努力すれば優秀な人間になれたはずであり、痩せればイケメンだったはずであり・・・他の転生作品ではそうでした。現世で心機一転すれば挽回可能でありました。ダメ人間が転生しても幼少の頃から頑張れば前世のマイナス面を克服できるはずなのです。多くの転生作品はそうでした。ダメ人間がいきなり成人としてタイムリープしていきなり完璧人間になっていたのなら話は分かりますが・・決して私が決めつけていたような上手くいくはずがない、などというのは私の思い上がりだったのです。前世では思うに動けなかったという事情を汲んでいませんでした。
そして思いました。前世の記憶を残したまま努力するというのは安直でもなくしっかりとした筋書きなのだと。むしろ前世の無念を現世で晴らす。これは王道で大衆の望むストーリーなのではと。人生やり直し万歳と。それでこそ教訓を残せるというもの。私はニーズを理解していませんでした。
そもそも私がこの小説を執筆しだしたのは自分の実際の半生からでした。
幼少の頃から大人になるまで激しいいじめにて人生狂ったという地獄。人間関係が壊滅的で恋愛も結婚も出来なかったという地獄。
その教訓を読者に伝えたかったのです。そして小説の中で自分の鬱憤を晴らしたい。
だから私は決心しました。現世主人公の田中弘樹の前世の記憶ありにしたいと。
自分勝手なのは承知しています。お叱りも甘んじて受けます。お許しください。
もう230話を超えて執筆しています。今から変更作業に入ります。変更する部分は前半が中心になるかもしれない。大変だと思うけどこれから少しづつ行います。更新の速度を少しでも上げたいとは思います。頑張ります。
長々と書いて失礼しました。では酷暑日が続く中、この文章を読んでくれてありがとうございました。
田野浩之