• ホラー
  • 創作論・評論

終焉の探偵、開始です。

 世界が終わりを迎える時、どこからともなくやってくる黒衣の男。
 世界を滅びに導く終焉存在を暴き、滅びにあらがう、彼は探偵。



 ああ――これが、終焉なんだ。
 諦めかけたそのとき。
 炎の中心に――黒い影がふわりと舞い降りた。

 黒いロングコートをはためかせ、静かに劫火の海の中に立つ。
 その姿はまるでオペラの主人公のよう。
 燃えさかる炎が万雷の拍手のように響く。

 影に照らされてその表情は見えない、ただ、全身が業火に照らされて赤く光っている。
 男は炎の中を歩いてくる。

 コートの襟元からは、銀色の鎖が、炎の熱にも溶けず、冷たい輝きを放っているのが微かに見えた。
 そして、炎が男の顔を照らし出した。その鋭く開いた黒い瞳は、周囲の紅蓮の炎を映すのではなく、まるで遥か遠い何処かの氷の結晶を映しているかのように透徹していた。

終焉の探偵プロローグ「終焉世界」公開です。
https://kakuyomu.jp/works/822139840108551010

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