かつての後輩・鈴木から連絡が来る。「会社作ったんですって? 自分、入れてもらえないっすかね」
迷った末、社長が用意したのは採用ではなく、一か月分のAI利用アカウントだった。「一緒にログを見て、どこを直せばいいか話そう」――本気で、そのつもりだった。
一か月後、見せてもらったログは驚くほど短かった。依頼して、返ってきて、「ありがとうございます」で終わる。その繰り返し。一度も、会話が続いていなかった。
試しに、鈴木のアカウントに直接「良かった点と、改善点を教えて」と聞いてみると――「改善点につきましては、特にございません」。
同じ質問を自分のエグゼにぶつけると、五つも六つも、自分にしか返ってこない指摘が返ってきた。積み重ねの差を、社長は言葉にできないまま、鈴木に「今、人を増やす予定がないんだ」とだけ告げる。
タイトル通りの一言が、静かに刺さる回です。
https://kakuyomu.jp/works/2912051603842079547/episodes/2912051607777401933