おはようございます。サザンクです。
没部分は基本的に短文で、何かに再利用できる可能性があるので基本公開しないのですが、どうやっても使えそうにないものはこのような形で出してもいいかなと思いました。
需要があるかはわかりませんが、何かしらの創作の参考になれば幸いです。
最新話 ◇3の没部分です。
当初は斐上の視点から出来事を語る予定でした。
感情のノリが薄くなりそうと判断し没。
―心宮駅前―
「にげ……ろ……」
織草帷を庇った織草葵は、微かな声でそう言って倒れ、やがて動かなくなった。
彼女の左脇腹は半月状に抉れ、夥しい量の血が流れている。
「あたし、殺すつもりじゃ……」
隣にいる黑の声は、震えていた。
「織草帷を、撃とうと……」
祈るように両手で握られた杖。
戦える体勢ではない。
即座に次の行動を考える……が。
「からがい くろ」
呟きが聞こえた。
目の前の少女から出たものだ。
所々破れた服、白い髪、頬についた血。
――織草帷。
彼女が、濁った目でこちらを見ていた。
「――あ」
そして、
「ああああああああああ!!!!!」
人間のものとは程遠い、咆哮。
爆発が起きたかのようだった。
「ひっ――」黑が短く悲鳴を上げる。獣か、弾丸か……そう見紛う程の速度で、織草帷が迫ってきた。
「黑、下がれ――」杖を向け、魔力の塊を撃つ。相手の右耳を削いだ、にもかかわらず、勢いがまったく落ちない。
「――――!」叫びながら、織草帷は右耳から吹き出た血を手に纏い、自分の右腕を掴む。
ぐにゃり、と。
本来とは真逆の方に、腕がしなった。
紙粘土を曲げるかのように、簡単に変形した。