質の悪い血が流れてる。
羊水は腐る。
赧斑肌は悪魔の印、駆逐するべし。
芟穢して種を滅せ、根を枯らせ、死ね。
あのスチームパンクに目を焼かれた人間よ。
踵を返さずとも良い現状に笑え。
人工太陽の照す蘿径を行け、たとえ血に染まりし場所だとしても、もはや気付かずに進める。
盲斑さえヒリつく熱さの許で孛戻せねば。
滅せ、滅せ。
明日は暗き空の下に我らがいる。
ただ金魚鉢には鮮やかな稚魚が泳いでいる。
喉の溷きに耐え、私は稚魚の成長を待つ。
やがて貌が浮き出た鱗から人がわらわらと出でる。
そこで映画は終わった。
二度とは見たくない、あの景色が反芻した帰り道。漸く気付く、私に家など無いと、公園のベンチに座りこんだ。
砂山が城になり、甲冑を装備した子供たちが現れる。あっという間に囲まれた。
私は念じた。
世界よ、滅びてくれ。
公園=世界は逶迤としてグニャリと形を変えた。
暗黒空間とも言える歪みから目の無い人が現れた。
私はベンチから動けない。
盲人と甲冑の子供たちが戦う。
何故、何故、何故、何故戦うのか。
気付けば私は溶けていた。
汗じゃなかった。
泥々と溶け、熱さが故に大気に散り逝く私の欠片。
溶けかけた目ん玉はまだ機能していた。
甲冑が死んでるらしい。
盲人は私が見えない。服の染料で視る影もないベンチを奴らは気付かない。
私はもう声も出せない。
死ぬのか、悟った。
生ぬるいコーラの中に落ちた何百分割された私のひとつがそう気付いてから別れた私の中で伝播していく。
さよなら、さよなら、さよなら。